【いらないものは確実に存在する!】必要のない書類を保育現場から本気で無くす話

今回は、必要のない書類をなんとかする話です。とはいえ、単に無くすだけでは支障が出る場合もあるんですよね。簡単に無くせるものなら、とっくに無くなっているはずです。「前からやってるから」が思考停止なのは確かですが、何かしらの意味があって始めたものであり、今まで残っているんです。本気で無くすために、それを考えていきましょう。

必要ない書類を保育現場から本気で無くすには

まず、「いらない書類もある」というのは確かなことです。ただ、実際に無くすのは大変な場合があります。特に、系列園がいくつもあり、全体で決まっているものだったり保護者さんに影響があったりする場合は、いくら「意味ない」と言っても何も変わらないでしょう。

「この書類は書く意味が無い」ではなくて、「この書類に本来どんな意味があったか」を考えるのがスタートです。

  1. この書類には本来どんな意味があったか
  2. 無くしてよい部分と無くさない方がよい部分はどこか
  3. 無くした結果どんな影響がありそうか
  4. 無くした場合、他の書類等で補えるものなのか
  5. 無くすことを保護者等に事前に知らせる必要はあるか

少なくとも、これくらいは分かった上で無くしていかないと、説得力も無く、後々支障が出ることになるかもしれません。

この書類には本来どんな意味があったか

たとえば、登園したときにシールを貼るシール帳には、ザッと考えて次のような意味があります。

  • 持ち物を管理する能力が育つ
  • 手指の巧緻性が高まる
  • 日にちや曜日の感覚が身に付く
  • 行事等に期待をもつ
  • 明確な数の概念を得る
  • 季節のものを知る
  • 会話のきっかけとなる
  • 子どもの様子を知る時間となる

なんでそんなことが言えるの?…ということについては、詳しくはコチラの記事をご覧ください。

【保育の見直し】ICT化などで無くなりそうな出席のシール帳にメチャクチャ大事な意味がある話

無くしてよい部分と無くさない方がよい部分はどこか

本来の意味を考えたら、次は、無くしてよい部分と無くさないほうがよい部分を考えます。

「持ち物を管理する能力が育つ」という機能は無くしてよい部分なのかどうか。手指の巧緻性が高まるということについては、無くさない方がよいのか。シールや絵で季節のものを知るといっても、本物に触れる方が良いのでは?他の園だと会話のきっかけになるかもしれないけど、自園のやり方では 無理だよね…という具合です。

無くした結果どんな影響がありそうか

たとえば、シール帳を無くすと、どんな影響があるでしょう?

私の娘達は、シール帳にシールを貼ることをしょっちゅう忘れていました。そのような子どもは「何日も貼ってないよ」なんて言われるかもしれません。毎朝忘れずにシールを貼ることが、もしかしたらストレスになっているかもしれませんよね。

反対に、毎朝のシール貼りを楽しみに登園している子どももいます。可愛い絵がついたシールを貼ることができなくなったら、園に来るモチベーションが下がってしまうかもしれません。シールを貼る場面をちゃんと見ていない人には、これらの影響は想像できないかもしれませんが。

無くした場合、他の書類等で補えるものなのか

ずっと前からあるものって、時代にそぐわない等、無くした方がよい部分もあるんですよね。ただ、意味があって始まったものなので、全てを簡単に無くすことはできません。他のもので補うことができるかどうかを考える必要があります。

「持ち物を管理する能力については、シール帳じゃなくても、着替えや歯ブラシコップがあるから大丈夫」「手指の巧緻性については、保育の中でしっかり見ていくことにする」「日にちや曜日の感覚は、毎日会話の中で取り上げる頻度を高くしよう」ということを考えます。

やっぱり、簡単には無くせない。だけど負担が大きすぎるし、今のままではあまり意味が無い…ということであれば、今の形を何かしら変える必要がありますよね。

  • やり方を変える
  • やる人を変える
  • 量を変える
  • 内容を変える
  • 様式を変える
  • 頻度を変える

ということをするだけでも、ずいぶん負担や書類の意味が変わってきます。

無くすことを保護者等に事前に知らせる必要はあるか

シール帳のように、保護者も関わることであれば、無くす前に知らせる必要がありますよね。「諸事情により、来年度よりシール帳を廃止します」の一言で終われば簡単なんですけど。ここで、これまでに考えてきたことが役に立つんですよ。

「より時代に合った形に変更します」「他の◯◯を充実させます」「大事なここの部分はこちらに変えて残します」というように、無くすための過程でこのように検討し、最終的にこのような判断に至りました…と、お知らせすれば良いです。悩むばかりで十分に考えず、思い切って決断すると、どのように伝えたら良いかが分かりません。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。