「明日できることは今日するな」ということわざがトルコにあります。単に文化の違いや「日本人は勤勉で…」などということではなくて、仕事の優先順位の問題でもあるんですよね。マニャーナの法則というものもあります。これを保育現場に当てはめて考え、仕事の優先順位を見直してみましょうという記事です。
広報誌に付きっきりで保育を見ない上司
「マニャーナの法則とはなんぞや」を書くと難しくなるので、さっそく保育現場の仕事で考えてみましょう。1つだけお伝えすると、「マニャーナ」はスペイン語で「明日」という意味だそうです。
「上司が子ども達の様子を見ない」という話をよく聞きます。職員室・事務室にこもって何をしているのかと思ったら、どうやらPTAなどの広報誌を作っていることがけっこうあるらしいですね。園便りは作る回数が多いので、ある程度は慣れることもできますが、広報誌となると話は別です(本当は別物ではないですが)。いつもパソコンを開いていて、同じような画面を見つめている園長の姿を見たとしたら、持ち帰りで指導案を書いている担任はどう思うでしょうか。
この場合のポイントは
仕事を置いておく(考える時間を作る)です。
目の前の仕事をとにかく片付けるのではなく、どうすれば効率良くできるかを考えます。苦手な「広報誌を作る」ということを、膨大な時間を費やして苦手なパソコンに向かっても、なかなか完成に近付くことはありません。紙面をどう構成するかは紙にペンで描いた方が早いですし、苦手なパソコン操作は誰か他の人に振ることを考えます。もちろん丸投げではなくて、代わってもらって空いた時間で、代わってくれた人が助かることをすれば良いですよね。
みんなで作業をする行事の作り物
「みんなでやった方が早いから」という言葉もよく聞きます。みんなでやったら時間がかからないのは当然のことなんですが、1人で5時間かかる仕事を10人ですると30分で終わる…ということにはならないんですよね。みんなでやると、それぞれの作業効率は落ちます。何をすればよいのか理解するまでの時間もかかるし、道具が足りなかったら待つ時間も発生するし、みんなで作業をするために材料を並べる時間もかかるし、お喋りしたくもなります。ミスも起こります。作業が終わるまでに1時間かかったとしたら、10人分で10時間を費やしていることになります。
1人で頑張りましょうということではなく、ここでも大事なことは
仕事を置いておく(考える時間を作る)です。
- その作り方が1番早いのか
- 作り物の形はそれがベストなのか
- 材料や道具の有無など、大人数で作業をするための準備はできているか
少なくとも、これらを考えてからでないと、大人数で作業をするのはむしろ効率が悪くなるんですよね。自分のことだけを考えるのであれば時間は短くてすみますが、「他の人の時間を人数分もらっている」ということも頭に置いておく必要があります。
いつまでも終わらない要録
要録についても同じことが言えます。中には何ヶ月もかかって書いている人がいますよね。もしくは、要録を書くために使うことができる時間が少なく、適当に書いてしまう場合がありますよね。
ここでも大事なことは
仕事を置いておく(考える時間を作る)です。
要録の用紙と向かい合っても書くことは出てきません。必要なことは文章を書くことではなく、「何をどのように書くか」を分かることです。
- 要録とはどのようなものかを知る
- 必要な記録を用意する
- 何を書くかメモをする
- 文章にする
- チェックを受けて清書する
それぞれの間に、 仕事を置いておく(考える時間を作る) が必要です。いきなり「10日後に下書きを出して」と言われても、できるはずはありません。
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「具体的にどのように書き進めるか」「どのように記録に残しておくか」ということは、関連記事に詳しく書いてあります。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。