水辺で遊ぶ2人の子どもの姿について写真を見ながら「どう見取ってどう記録するか」を考える

あなたは、写真を見て「これってどんな状況なんだろう」と真剣に考えたことがありますか?これをすると、いろんな視点から考えることができるようになるんですよ。保育で子どもの姿を見取る際に、とても役立ちます。こちらは保育塾のメルマガ「保育塾ベーシック」の試し読みとしての記事ですので、メルマガ風の文章でお伝えします。

前回の振り返り

それでは、保育塾ベーシックの第16回目を開始しましょう。

保育塾ベーシックの第15回目では、

・子どもの動きや言葉が少ないうちは、写真1枚で十分な記録になる
・年齢が上がっても、写真を活用することで、記録の精度が上がったり記録する負担が減ったりする

ということをお伝えしました。

また、課題のヒントでは

大事なことは、「子どもの姿を見る」ということです。それを大事にしていれば、年長担任しかしたことがなくても、0歳や1歳の子どもの記録も書けます。

ということをお伝えしています。

これは、本当に大事なことです。子どもの姿を見取ることができれば、0歳や1歳しか担任したことがなくても、年長の記録を書くことはできます。もっと言えば、小学生や中学生の記録も書くことができます。授業ができるかどうかは別問題ですけどね。

前回出された課題

では、第15回目の課題を見てみましょう。

☆次の画像を見て、記録を書いてみましょう。

ヒント
どんな形でもかまいません。「こんな場面なんだろうな」と、思い付くままに記録を書いてみましょう。一応、右側の子どもは1歳児ということにします。

大事なことは、「子どもの姿を見る」ということです。それを大事にしていれば、年長担任しかしたことがなくても、0歳や1歳の子どもの記録も書けます。

あまり書けなくても、今はまだ気にしないでください。次回からも画像を変えて、子どもの見取りと記録について考えていけるようにします。

という課題でした。

この写真の姿を保育中のつもりで記録をしてみると…

では、「実際に保育をしていたら、私ならこんな風に記録するかな」ということを書いていきます。

画像を確認してから読んでくださいね。

(メモ程度だと)
池覗く→体支える→手伸ばす

(他の人にも状況が分かるように書き直すと)
兄と共に池をのぞき込むB。しばらく見た後、足を踏ん張り、右手を石の上について体を支えながら、左手を伸ばして魚に触ろうとする。

(5領域を交えて書くと)
兄と共に池をのぞき込むB(「人間関係」①)。しばらく見た後、足を踏ん張り、右手を石の上について体を支えながら、左手を伸ばして(「健康」②)魚に触ろうとする(「環境」① )

「人間関係」① 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる。
「健康」② 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
「環境」① 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。

保育所保育指針より抜粋

5領域に分けて記録を書かないといけない園もあります。考察まで書いてしまうと長くなりすぎるので、今回は詳しく書くのはやめました。

見て分かるように、たったこれだけの記録でも、「人間関係」「健康」「環境」が入っています。子どもが言った言葉や、魚に触ろうとしてどのように動いたかを記録すると、さらに、「言葉」「表現」も入ります。

実際は「自分は特に、魚を触ろうとする気持ちを大事にしたいです」などの思いがあって、どんな活動をするか、どのように環境を構成するか、どのように声をかけるかなどを考えますよね。今回の画像の姿は、5領域の「環境」だと捉える人が多いのではないかと思います。

今回の課題

では、第16回目の課題です。

☆次の画像を見て、記録を書いてみましょう。

画像

ヒント
どんな形でもかまいません。「こんな場面なんだろうな」と、思い付くままに記録を書いてみましょう。赤ちゃんを抱いている子どもは2歳児ということにします。
※この子4歳くらいに見えるんだけどな・・・と思っても気にしないでください。次回説明しますので、2歳児ということでお願いします。

大事なことは、「子どもの姿を見る」ということです。それを大事にしていれば、年長担任しかしたことがなくても、記録は書けます。見たまま、思い付くままに書けばいいですが、あまり負担にならないようであれば、保育所保育指針解説を見ながら書いてください。

あまり書けなくても、今はまだ気にしないでください。次回からも画像を変えて、子どもの見取りと記録について考えていけるようにします。

保育塾ベーシックの第17回で、今回の課題について具体例を考えていきます。


ここまでが、保育塾ベーシックの第16回目の内容です。
「子どもをどう見取るか」ということを20回ほど、記録についても20回ほど、その後、ねらい及び内容、援助、要録と、それぞれ20回に分け、3日に1度メルマガでお届けしています。無料です。
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第6回、第11回についても試し読みができるようにしています。
保育塾ベーシック(第6回)
砂場での並行遊びを1歳以上3歳未満児の「ねらい及び内容」と照らし合わせると5領域の全てとつながっている話
保育塾ベーシック(第11回)
5領域のねらいと自分が書いた記録を見比べて記録に線をひき「人間関係②」などと書いてみよう

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。