あなたは普段、保育の記録をどれくらい残していますか?「ICT化が進み、アプリだと書き込むスペースが限られ、まとめるのにすごく時間がいるようになった」…等という本末転倒な話も聞きます。
今回の記事では、養護の面にスポットを当て、写真を見て「どんなことを記録していこうかな」という話をしていきます。1つの場面からいろんなことを想像すると、実際に子どもを目の前にしたときの視点も広がりますよ。
こちらは保育塾のメルマガ「保育塾ベーシック」の試し読みとしての記事ですので、メルマガ風の文章でお伝えします。
前回の振り返り
それでは、保育塾ベーシックの第21回目を開始しましょう。
保育塾ベーシックの第20回目では、
5領域のねらいは、3歳以上児では、相手とのやり取りをすることや、前向きに楽しむこと前提なので、「悔しい」「悲しい」などの感情を当てはめることが難しい。
という話をお伝えしました。
5領域とつなげて考える時には、時間はかかりますが、内容を見ていく必要があります。
前回出された課題
では第20回目の課題を見てみましょう。
☆次の画像を見て、記録を書いてみましょう。子どもは0歳児ということにします。できる人は養護に関わることについて書いてみましょう。
ヒント
どんな形でもかまいません。「こんな場面なんだろうな」と、思い付くままに記録を書いてみましょう。幼稚園の先生方は、「養護に関わること?」と気にせず、書ける分だけ書いてください。
できれば、5分程度で書いてください。文章を読むのに5分、書くのに5分、合わせて10分程で終わってしまいましょう。苦労してスタミナ切れになるよりは、できなくても気にせずに、長く続けましょう。
という課題でした。
この写真の姿を保育中のつもりで記録をしてみると…
では、「実際に保育をしていたら、私ならこんな風に記録するかな」ということを書いていきます。前回までとは、書き方が全く違います。決して模範解答ではありませんので、「ああ、そんな考え方もあるね」という参考程度にしてください。
画像を確認してから読んでくださいね。
「何のための記録か」は考慮に入れず書いているので、子どものことと保育者のことが混在しています。
- 機嫌が良く笑顔が多い。特に笑いかけたときには声を出して笑う。
- 食後は平熱より少し高いが機嫌は良い。普段通り生活した。
- 汗をたくさんかいたので、水分補給の回数を増やし時々帽子を取って汗を拭いた。
- 汗をたくさんかいたので、活動の終了を5分早めた。
- 汗をかいたため活動後に着替えた。
- 肌の調子は良くなっているが日に当たるのは短めにした。
- 着替えの際はもっとタオルが必要。
- スキンシップをとるとよく笑った。
- 話しかけると笑顔がたくさん出た。
- 話しかけると声が出た。
- 話しかけると手がよく動いた。
- 話しかけると手足がよく動いた。
- 「暑いね」「風が気持ちいいね」などと声をかけた。
- 活動の後はゆったり過ごした。
1枚の写真を見ただけでも、ざっとこれくらいは思い付きます。時間をかければ、もっとたくさん出てきます。
普段は、この姿は「生命の保持」で、こっちは「情緒の安定」で・・・などと考えて記録する必要はありません。今までと同じで、子どもの姿を見て、そのままを書いていけば十分です。毎日、1~2行の記録を残す必要がある人は、どの姿を選ぶか迷いますよね。中には、1~2行のスペースに、何行も書き込む人がいます。
ハッキリ言わせてもらうと、適当でいいです。
なぜなら、その記録を見返してもあまり意味が無いからです。
それなら、数行にまとめる手間で、その分どこか他の紙にでもなんでも、できるだけたくさんの記録を書き、視野を広げた方が良いと思いませんか?
今回の課題
では21回目の課題です。
☆次の画像を見て、記録を書いてみましょう。子どもは1歳児ということにします。できる人は養護に関わることについて書いてみましょう。
ヒント
どんな形でもかまいません。「こんな場面なんだろうな」と、思い付くままに記録を書いてみましょう。
幼稚園の先生方は、「養護に関わること?」と気にせず、書ける分だけ書いてください。
できれば、5分程度で書いてください。文章を読むのに5分、書くのに5分、合わせて10分程で終わってしまいましょう。苦労してスタミナ切れになるよりは、できなくても気にせずに、長く続けましょう。
保育塾ベーシックの第22回で、今回の課題について具体例を考えていきます。
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第6回、第11回、第16回についてもブログ内で試し読みができるようにしています。
・保育塾ベーシック(第6回)
砂場での並行遊びを1歳以上3歳未満児の「ねらい及び内容」と照らし合わせると5領域の全てとつながっている話
・保育塾ベーシック(第11回)
5領域のねらいと自分が書いた記録を見比べて記録に線をひき「人間関係②」などと書いてみよう
・保育塾ベーシック(第16回)
水辺で遊ぶ2人の子どもの姿について写真を見ながら「どう見取ってどう記録するか」を考える
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。
保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。