実習生のみなさんは、保育実習に行くまでに、学校で実習について、いろいろと学んでいますね。協力園で子どもの様子を見せてもらうことや、模擬保育など、保育実習に近い形の授業もあります。ボランティアで保育の手伝いをしている人もいるでしょう。
それでも、保育実習に来てみると、「学んできたこととはかなり違う」と感じるはずです。
なぜでしょうか?
それは、オリエンテーションなどで知らされることが、あまりにも簡単だからです。知らせるべきことが多すぎて、一番大事な部分が薄れてしまっています。
一番大事なことは
保育実習は学校の勉強ではない
これだけです。
- 子ども達と仲良くできるか
- うまく保育ができるか
- ピアノが苦手だけどどうしようか
- 保育指導案とか難しそう
保育実習にはこんな心配事があると思います。
でも、保育実習で本当に大切なのは、「学校の勉強とは違う」ということを理解すること。
そして、理解した上で、覚悟してのぞむことです。
はっきり言って、この覚悟ができれば、ピアノや保育指導案などは、たいした問題ではありません。
「保育実習は学校の勉強とは違う」が理解できると、他に求められていることも分かる
保育実習に来る実習生に、現場の職員が求めていることはたくさんあります。服装、あいさつ、言葉遣い、などなど。あげたらきりがないですね。自転車の停め方まで指定されることもあるでしょう。職員によって、言うことが違う場合まであります。
「そんなことを全部気にしていたら、保育するどころじゃない」と思う人もいるでしょう。
その通りです。
言われたことを、全部覚えようと思うと大変です。
でも、「保育実習は学校の勉強とは違う」と理解できたら、他に求められることは一生懸命に覚える必要はありません。
「保育実習は学校の勉強とは違う」と理解する
保育実習は、学校の勉強ではありません。
これが一番大事なことです。
保育実習は、一般の会社で研修をしているようなものです。
現場が保育所や幼稚園なので、イメージしにくいですが、会社と同じです。
会社での研修を想像してみる
一般的なことをちょっと考えてみましょう。あなたは今、△△株式会社の社員だとします。新しい資格を取るために、現場での研修が必要になりました。自分がいる会社ではなく、他社の○○株式会社での研修です。
実習というのは、他社に研修を受けに行くのと同じような状況です。
日常の業務は全部そのままで、他社の社員の資格のために、専任の担当者が1人ついて、さらに、会社全体でバックアップもします。しかも、他社の社員のために研修したことに対して、特別な報酬はありません。
普通の業界だと、ちょっとあり得ないシステムです。
担当の保育士、先生との関わり
実習を担当するのは、保育士であり、幼稚園の先生です。子どもに対しては、優しく丁寧です。でも、実習生に同じ態度をとる必要はありません。実習生は大人ですから。
担当の保育士、幼稚園の先生は、実習生の先生ではないんです。
「一般企業で、通常業務をしながら現場を見せてくれる人」くらいに考えてください。
実習生をどのように教えるかというマニュアルなどはありません。園によって、ある程度は、決めているところもありますが。園により、人によってやり方が違うので、どの人が担当になるかで、実習の状況は変わります。
「実習を担当してくれる人のやり方に合わせられること」ある意味、これが一番大事です。
取引先の人、上司、同僚など、働き始めると、いろいろな人と付き合わないといけません。相手がどんな人であってもです。
いろいろな人がいるから、相手によって対応の仕方を変えますよね?
保育実習を担当する人も、個人の判断で、それぞれの実習生によって対応を変えるのは当然です。実習生も、担当する人のやり方に合わせていきましょう。
保育をする人は、子どものためになることを一番に考えます。
たとえば、保育指導案の書き方は、そのクラスや園に一番合ったものにしてあるはずです。実習前に打ち合わせがしてなければ、実習生が事前に書いてきたものと、様式に違うところがあるのは当然です。
他の会社に研修を受けに行って、「うちのやり方でやらせてください。」って言えると思いますか?普通は言えません。実習生なので許されることなんです。保育士や、幼稚園・学校の先生が優しいから許されることなんです。
私も実際には、実習生がやりやすいように進めます。しかし、子どものためにも、園のやり方を守りたい人もいます。そのときには、実習先の園のやり方に合わせるようにしてください。
社会人として振るまう
実習に向けてのオリエンテーションで、細かい決まりをいろいろと言われると思います。それらを一言で言うと、「社会人として振る舞う」です。
「保育実習が学校の勉強とは違う」ということが理解できたら、社会人として振る舞うべきことも分かるはずです。
・身だしなみ
パイロットには制服があり、漁師がスーツを着ていたら仕事になりません。保育の現場も、保育の現場としてのドレスコードがあります。細かいところは園によって違うかもしれないので、実習先の園に確認しましょう。
・約束やルール
会社には会社のルールがあり、園には園のルールがあります。それぞれで違うので、ここで書くことはできませんが、守るのは当然のことです。「受けた仕事はやる」「提出する物は出す」を守れない会社員は、働いていけません。
それは、保育の現場でも同じことです。
実習の時に楽をしてしまうと、将来、働いたときにも同じ感覚で働くことになると思いませんか?
実習生に優しい人はたくさんいますが、それに甘えないようにしましょう。
・子どもへの態度
保育は子どもに関わる仕事です。少なくとも、悪影響のある言葉遣いや差別をしてはいけません。しかし、子どもへの関わり方は、社会人として振る舞うだけでは難しいです。
子どもと同じような感覚で遊ぶこと、年長者としてリードすること、親のように包み込むことなど、保育者は、いろいろな接し方をしなければなりません。
これは、保育実習で学んでください。
まとめ
「保育実習は学校の勉強とは違う」
一言で表すと、とても簡単なことです。
保育実習の本当の意味を考えると、保育実習に向かう姿勢が全く違ってきます。実習生は、学校から出て、保育実習に向かいます。
学生ですが、社会人としての振る舞いを要求されるのが保育実習です。
保育所や幼稚園に行くと思うから、本当のことが分からなくなります。
他社に研修に行く会社員のつもりで、社会人として保育実習に向かってください。
保育の仕事を始めてからの、あなたのためです。
というように言われても、実際に、指導案やピアノで困っている人もいますよね。保育指導案を書くときに、知っておきたいことは、次の記事に書いてあります。
【保育現場で働いていても見失うことがある】部分実習の保育指導案を書くときに分かっておきたい根本的な2つのこと
伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容の違いを自信をもって説明する】
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【ピアノが苦手な人向け】簡単な楽譜が無料で手に入るおすすめサイト
今までとはちょっと違う視点を持つと、悩みが解決することもあります。
校種のギャップに備えよう!副免で幼稚園実習をする人たちに知ってほしい4つのこと
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、