・子どもが絵を描きたがらない
・すごく時間をかけて頑張っているのに思うようにいかない
・先輩保育士からダメ出しされる
こんな風に思ったことはありませんか?
この記事では、子どもに絵画の指導をするのが難しい理由と、その対処法を紹介します。
取り扱う題材や、導入をいくら工夫しても、根本的なことが分かってないと、ズレた状態のまま労力だけ使います。
「指導方法を学べば解決する」という問題ではないことを知った上で、どう対処するかを考えてみてください。
絵画の指導を難しく感じる理由とは
絵画の指導を難しく感じる理由は、細かく言えばいくらでも出てきます。
ねらい、題材、画材、準備、導入、環境、言葉かけなど、切りがないですね。
でも、根本は1つです。
難しく感じるのは、「これでOK」という判断基準が人によって違うからです。
子どもはちょっとだけ描いて満足。でも、もう少し描き込んでほしい。
というときには、子どもとあなたとの判断基準が違います。
みんな素敵な絵を描いたな。と思っていても、先輩からダメ出し。
というときには、あなたと先輩との判断基準が違います。
特に、「上手くいった」と思っていて全否定をされるとへこみますよね。
教えてもらう指導方法に疑問を感じることもありませんか?
なぜこんなことが起るのでしょう。
絵画の指導方法はたくさんある
絵画の指導方法って、たくさんあるんです。
保育をしていく上で、話題になることは無いですが、図画工作・美術の世界では、ものすごい議論が繰り返されてきました。
「活動主義」「作品主義」「創造主義」「写生主義」「金子/柴田論争」
などなど。
それぞれに対して、いくつも論文が書かれ、雑誌で取り上げられ、本が出版されています。
上司や先輩の先生達の指導方法もいろいろある
たくさんの指導方法があるということは、先輩方が教えられてきた指導法もいろいろだということです。
自分が知っている指導方法を主張する人ばかりだと、意見が合わずに大変なことになります。
中には、何十年も前の指導方法を、まだ続けている人もいるでしょう。
その結果、あなたは誰の言うことを聞いて良いか分からなくなります。
雑誌やサイトに載っている指導方法はバラバラ
雑誌やサイトで紹介されている指導方法もバラバラです。
あるときはA誌を参考にし、次はBのサイトで紹介されているものを取り入れると、一貫性が無くなります。
それどころか、同じサイトの中でも、記事を書く人が違えば、指導方法が変わります。
当然、園の先輩方の指導方法とも違ったものになるでしょう。
どれを参考にすれば良いのか、分からなくなりますね。
絵画指導で参考にするべきなのは
幼稚園教育要領・保育所保育指針を参考にする
絵画指導で参考にするべきものは、幼稚園教育要領や保育所保育指針です。
当たり前のことですが、忘れがちです。
絵画について、幼稚園教育要領や保育所保育指針に、どのように記載されているか知っていますか?
保育所保育指針解説には、「絵」という文字が90回ほど出てきますが、その中で、子どもが描く「絵」については2回しか触れていません。
「絵」が登場するのは、ほぼ全部が「絵本」のことを言っています。
(全部に目を通したつもりですが、間違っていたらごめんなさい。)
一応「絵」が登場するところを紹介します。
子どもは、感じたり、考えたりしたことをそのまま率直に表現することが多い。また、子どもは、感じたり、考えたりしたことを身振りや動作、顔の表情や声など自分の身体そのものの動きに託したり、音や形、色などを仲立ちにしたりするなどして、自分なりの方法で表現している。その表現は、言葉、身体による演技、造形などに分化した単独の方法でなされるというより、例えば、絵をかきながらその内容に関連したイメージを言葉や動作で表現するなど、それらを取り混ぜた未分化な方法でなされることが多い。
幼稚園教育要領や保育所保育指針のどこを読んでも、「絵画の指導をしましょう」みたいなことは書いてありません。
このことについては、いずれ他の記事で詳しく書こうと思います。
特定の人を決めて参考にする
先程書いたように、雑誌やサイトは指導方法がバラバラなので、参考にすると一貫性がなくなります。
幼稚園教育要領や保育所保育指針を読んでもよく分からないのであれば、誰か特定の人を決めて、その人のやり方を参考にしましょう。
本が見たいのであれば、その人が参考にしている本を紹介してもらいましょう。
そうすると、その人と同じ基準で絵画の指導をすることができます。
まとめ
絵画の指導は難しいですよね。
それは、人によって、判断基準が違うからです。
そして、絵画の指導方法はたくさんあります。
たくさんあるから、みんなのやり方がバラバラです。
一貫性をもてるように、まずは、幼稚園教育要領や保育所保育指針を参考にしましょう。
誰か特定の人を決めて、その人に教えてもらったり本を紹介してもらったりしましょう。
そうすると、その人と同じ判断基準で指導をすることができます。
自分のやり方を、少しずつ身に付けていきましょうね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、