「カリキュラム・マネジメントって何のこと?」と思っているみなさん。
本当はみんな、「カリキュラム・マネジメント」について、知っているはずです。
意味が分からなくても、カリキュラム・マネジメントを実施している園は相当数あります。
この記事では、幼稚園、保育所、幼保連携型認定こども園の、カリキュラム・マネジメントについて、意味を分かりやすく説明しています。
「なんだ、そんなことだったの?」と、思うくらい簡単なので、気を楽にして読んでください。
注:簡単というのは、意味として簡単ということです。カリキュラム・マネジメントを実施することは簡単ではありません。
カリキュラム・マネジメントを簡単に表すと
カリキュラム・マネジメントは、今回の改定で登場した言葉です。
保育所保育指針解説には、カリキュラム・マネジメントという言葉は出てきません。
でも、幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説には出てきます。
ですので、保育所のみなさんも、興味のある方はお付き合いください。
カリキュラム・マネジメントを簡単に表すと
教育課程に基づいて、教育活動の質を向上させること
です。
こんなに簡単に表してありませんが、
幼稚園教育要領解説に書いてあります。
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説にも書いてあります。
幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説では、「教育課程」ではなくて、「教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画」です。
ちょっと長すぎるので、「教育課程」の方を使わせてもらいました。
長くなったので、もう一度、一言で表します。
カリキュラム・マネジメントとは、
教育課程に基づいて、教育活動の質を向上させること
です。
意味が分かりやすいように省略しましたが、本当は、こんなに省略してはいけません。
続けて、本当の意味を考えてみましょう。
幼稚園教育要領解説に書いてあること
こども園のみなさんも、一度、幼稚園教育要領解説で確認をすることを、おすすめします。
教育・保育要領解説では、書いてある言葉が長すぎて、分かりにくいからです。
「教育課程」
→「教育及び保育の内容並びに子育ての支援等に関する全体的な計画」
「各幼稚園の教育活動」
→「各幼保連携型認定こども園の教育及び保育活動」
さらに、文章になると、本当に分かりにくくなります。
カリキュラム・マネジメントについて、幼稚園教育要領解説には、次のように書いてあります。
各幼稚園においては、6に示す全体的な計画にも留意しながら、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえ教育課程を編成すること、教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと、教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して、教育課程に基づき組織的かつ計画的に各幼稚園の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。
これは、「第1章 総説」「第3節 教育課程の役割と編成等」「1 教育課程の役割」の中に書いてあるので、確認してみてください。
この文章をすごく省略すると、
教育課程に基づいて、教育活動の質を向上させなさいよ。
以下、これを「カリキュラム・マネジメント」と言います。
となります。
実際は、こんなに省略してはいけません。
必要だから、難しい言葉がたくさん並べてあります。
何が必要かというと、
- 全体的な計画にも留意しながら、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえ教育課程を編成すること
- 教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと
- 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと
などです。
これらを通して、さらに、
組織的かつ計画的でなければなりません。
実際は、これまでにも、教育課程の見直しをしてきましたよね。
新しく出てきたことは、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえることぐらいではないでしょうか。
教育過程をしっかり見直してきた人たちにとっては、カリキュラム・マネジメントは、特別に気にすることではありません。
PDCAサイクルでやってきましたよね。
特別にやり方を変える必要がないことは、
「3つの柱」「10の姿」を踏まえた教育課程・全体的な計画の見直し方でも詳しく書いています。
幼稚園教育要領解説には、他にも、カリキュラム・マネジメントについて記載してあります。
しかし、どの箇所も、カリキュラム・マネジメントというよりも、教育課程の編成の仕方について書いてあります。
教育課程の編成については、
幼稚園・保育所の「教育課程・全体的な計画」と「カリキュラム」の違いとは【小中学校とは違います】もご覧ください。
まとめ
カリキュラム・マネジメントを簡単に表すと、
教育課程に基づいて、教育活動の質を向上させること
です。
教育課程を編成、実施するときには次のことに気を付けましょう。
- 全体的な計画に留意する
- 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえる
- 教育課程の実施状況を評価して、改善する
- 教育課程の実施に必要な体制(人や物)を整える
これらは、園全体で、計画的に行いましょう。
今まで、教育課程をきちんと見直してきた人たちにとっては、カリキュラム・マネジメントという言葉が出てきても、やることは変わりません。
新しくなったのは、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を踏まえることくらいです。
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