新任の保育者が書いた指導案の「ねらい」を「発達に合ってないから」と急に変えるのは無謀だという話

新任の保育者が書いた保育指導案は、直さなければならないところがたくさんあります。残念ながら、どれだけ一生懸命に書いたとしても、足りない部分がたくさんあるんです。ですが、「これは簡単過ぎる」「発達に合ってないから」などと、直前になって「ねらい」を変更させるのは控えてほしいものです。今回の記事では、そのことをお伝えします。

ねらいを急に変えることを一般的な例で表すと

繰り返しになりますが、ねらいを急に変えるのは無理な話です。特に、「簡単過ぎる」といって難しいものにするのは本当に無謀なことなんですよ。分かりやすいように、一般的な例を挙げて話を進めますね。

このイラストの家族は、過去に何度も山登り経験があり、体力も十分にあります。今回も、お手軽な山に登りたいということで、旅行会社のスタッフは富士山が見える山を紹介しました。ところが、それを聞いていた先輩スタッフが、「いや、この家族は体力も十分にあるし、富士山に登る方が合ってるよ。富士山に登れるように、車を手配しておきますね」と言ったとしましょう。だとすれば先輩スタッフがやろうとしていることは無茶苦茶ですよね。この家族はお手軽な山を希望しているし、富士山に登るには軽装過ぎます。

いくら経験豊富な人が「この人のレベルを考えるとこれが相応しい」と言っても、急に変えるのは無理なんです。準備ができていませんから。

なぜ無理なはずの変更が保育現場では起きるのか

登ろうとしている山を急に変えるのが無茶なのと同じで、急に「ねらい」を変更するのは無理な話です。準備ができていませんから。ですが、無理なはずなのに、保育現場では急な変更も起こってしまいますよね。園によって違うでしょうが、おそらく、「準備にかかる時間を先輩が考慮してない」ということが問題なのではと思います。もしくは、準備に時間がかかるのは分かっていても、それを時間外労働でなんとかまかなっているという状況なのではないでしょうか。

旅行会社と登山の例だと、準備をするのは客です。急な準備を要求されることは無いでしょう。体力と経験が十分でも、準備している物に見合った手頃な山に登ることになります。

保育現場だと、準備をするのは保育者です。急な準備でもなんとかしなければならず、間に合わなければ持ち帰り、夜になっても終わらないことになります。時間外でなんとかして間に合えばよいのですが、準備が間に合わないまま保育をしてしまうこともありますよね。客が軽装で、ガイドが十分に分かっていないまま、富士山に登ってしまうようなものです。

ねらいを急に変えたい場合はどうするか

時間に余裕をもって保育指導案を書くことができれば、ねらいが少々変わっても準備をすることができますが、いつもそうはいきませんよね。時間がギリギリでも、ねらいがあまりにも子どもの姿とかけ離れている場合は、どこかを変える必要もあるでしょう。その場合は、「お手軽な山に登って楽しむ」を「富士山に登って楽しむ」という変え方ではなく、「お手軽な山で自分に合った登り方をして楽しむ」という変え方にしましょう。

高尾山は、富士山などを登るためのトレーニングの場として利用されることもあるそうですよ。

高尾山は、子どもから大人まで登山を楽しめる山として有名です。初心者でも登れる難易度の低い山、という印象を持たれている方も多いのではないでしょうか?

その一方で、富士山などの難易度の高い山を登るための、トレーニングの場として高尾山に訪れる登山客もいるのだとか。ちょっと意外ですよね。

気軽に観光もでき、本格的な登山も楽しめる高尾山。その人気の理由の1つに、登山コースのバリエーションが豊富なことがあげられます。

引用元:【高尾山の楽しみ方完全ガイド】観光やデートにおすすめの情報や周辺情報も満載!

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。