【空間的環境の1つ】「壁面を保育者が飾る」を単純に無くすよりも前に考えておきたいこと

あなたは保育室の壁面を、いつもどのように使っていますか?「壁面飾りを作る時間が無い」「いつも持ち帰っている」などという言葉も聞かれ、近年では保育者が壁面飾りを作ることをやめている園もかなりありますよね。壁面って、あくまでも環境のうちの1つなんですよ。保育するために準備することの1つです。どう扱うか、改めて考えてみます。

壁面は環境の1つ

週案や、なにかの活動についての保育案を考えるとき、「環境構成をどうするか」ということも考えますよね。その際、人的な環境とか、物的な環境も考えますが、「空間をどうするか」という空間的な環境についても考えてみましょう。

たとえば、絵を描く活動をするときに、「隣の子どもとどれくらい間をとるか」とか、「保育室では十分な広さが無いから遊戯室を使わせてもらう」とか、「外で描けるようにしよう」というのが空間的な環境です。テラスの屋根を支える柱に透明のビニールシートを渡して、そこに向かって泥を投げて作品にしたときには、普段は絵を描くことが苦手な子どもも生き生きとして参加した。コンクリートに水で絵を描いたらメチャクチャ楽しめた。なんてこともあります。

外にまで行かなくても、保育室の中で「空間」を見渡したとき、使ってみたいのが壁や天井です。普段していることの高さを変えると、遊びの展開や子どもの反応も変わってきます。そう考えると、環境の構成として、保育者が壁面を作ることは自然なことなんですよ。ただ、しなければならないことではなく、多くの選択肢の1つとして、メリットが大きければすることと捉えてはどうでしょう。他の環境を整えることと同様です。

壁面の使い方はいろいろとある

一時、「保育者が作って飾ることをやめて、子どもの作品を飾るようにした」という話を聞くことが多くありました。今は、そうすることがスタンダードになっているのかもしれませんね。ただ、これは壁面の使い方の1例でしかありません。他にも使い方はいろいろとあります。

  • 友達に興味をもつ
  • 作品を飾る
  • 安心感をもつ
  • 分かりやすくする
  • 行事などを楽しみにする
  • 季節を感じる
  • 美的な感覚を養う
  • いろいろな素材に触れる
  • 部屋の雰囲気を作る
  • 飾ってあるものに興味を持つ
  • 壁面そのもので遊ぶ

私個人がざっと思いつくだけでも、壁面の使い方はこれくらい並びます。これについては、リンク先の記事でそれぞれを詳しく説明しています。
【作るのがもっと楽しくなる】壁面製作のレパートリーを10倍に増やすアイディア集
「壁面製作のレパートリーを増やす」というタイトルにしていますが、保育の引き出しを増やすことに直結するんですよ。特に、遊べる壁面というか、壁も利用しながら遊ぶと、遊びの幅が一気に広がります。

遊べる壁面の記事はこちら
飾るだけじゃもったいない!遊べる壁面アイディア30

壁面に対する意識を変える

保育室の壁面は、「毎月飾ってあるものを変えなければならない」でもありませんし、「隣のクラスと比べられても大丈夫なようにするもの」でもありません。「季節を感じられるようにするもの」でもないです。日々の保育をしていく中での環境の1部分です。決まった使い方に囚われるのではなくて、可能性を広げていきましょう。壁面1つで保育が大きく変わるかもしれませんよ。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。