壁面飾りの準備に、プライベートの時間を費やしている人にお知らせです。
季節感のある壁面は、10分ほどで作ってしまいましょう。
もちろん、壁面飾りを適当にすませるという話ではありませんよ。
この記事には、季節を感じることを目的とした壁面の準備を、本当に10分ほどですませるアイディアを載せています。
【壁面を月2~3回変えたくなる】壁面製作のレパートリーを10倍に増やすアイディア集を読んでいる人は、より理解しやすいはずです。
雑誌やサイトに載っている、いわゆる「普通の壁面」とは異なるので、自分の園にどれくらい取り入れることができるか、考えながら読んでくださいね。
季節感のある壁面を10分で作ることができてしまう理由
季節感のある壁面を10分で作ることができる一番の理由は、発想の転換をするからです。
【作るのがもっと楽しくなる】壁面製作のレパートリーを10倍に増やすアイディア集に書いたように、壁面の役割はいろいろあります。
季節を感じるということなら、壁面ではなくて、とにかく本物に触れた方が良いです。
・戸外に出かける
植物、生き物、天気・・・季節を感じられるものは、屋外の方が圧倒的に多いですよね。日本には「24節季」というものがあります。「穀雨(こくう)」とか「啓蟄(けいちつ)」などと、難しい言葉は伝えなくても良いので、「雨が降って、芽が出やすいらしいよ。」と言って栽培の活動ができるし、「虫が出てくる頃なんだって。」と言って探しに出かけることもできます。その後で、栽培したものや虫の形を作っても良いですよね。壁面で季節を感じるのとは反対に、季節を感じてからみんなで壁面を作ってみましょう。
・本物を飾る、飼う
壁面で季節感のあるものを作らなくても、本物の植物を飾れば良いです。壁面に植物を貼り付けても良いですよ。手に入りにくいのなら、お便りで保護者さんに呼びかけ、持ってきてもらいましょう。おじいちゃん、おばあちゃん達と接するきっかけにもなります。たとえば、かしわ餅の葉っぱを持ってきてもらうと、かしわ餅作りをして、葉っぱを飾って、食べているところの写真を貼ることもできます。ミカンの葉を持ってきてもらって、アゲハチョウの幼虫を飼って、壁面をチョウにすると、チョウのコーナーになります。
このように、本物に触れると、大人が作った物で壁面を飾るということ自体が少なくなります。
大人が作った物で壁面の全体を埋めようとすると、いくらでも時間が過ぎていきます。
大人の手が入る部分は、ワンポイントにしましょう。
イラストや枠を参考にする
大人の手が入る部分がワンポイントですむのなら、参考にできるものが大幅に増えます。
そのうちの1つが、お便りなどで参考にする、イラストやライン、枠などです。
お便りを書いているときに、壁面用のイラストやライン、枠を一緒に選んでおけば、選ぶ時間もほとんどいりません。
壁面飾りと比べて、イラストやライン、枠は選べるものも多いですよね。
壁面の全体に子どもの作品を飾り、隅に少しだけ大人が作った物を貼ります。
または、壁面の全体を大きなラインや枠で飾り、その中に子どもの作品を飾ります。
たとえば、「子どもが作ったイチゴを並べて、周りをイチゴのツルと葉っぱで飾る」みたいな感じです。
できれば、リボンや紙テープで、パパッと作ってしまいましょう。
そうすると、壁面のためにプライベートの時間をたくさん使うことはありませんよね。
歌や絵本を参考にする
歌や絵本を参考にすると、季節感のあるものが、いくらでも見付かります。
普段歌っている歌に出てくるものを壁面に取り入れると、歌と壁面がつながるし、何を作るか考える時間もいりません。
絵本を参考にするときは、絵本の1場面を全部作ろうとすると大変です。
大人が作るものがワンポイントで良いのなら、そんなに時間はかかりません。
これも歌と同じで、絵本を壁面に取り入れると、つながりができるし、何を作るか悩まなくてもすみます。
絵本を選ぶときに、ついでに、楽に作ることができそうな部分を選んでおきましょう。
- 「おべんとうバス」のバスだけ作っておいて、中に載せるものを子供が考えて作る。
- 池と水草だけ作って、子供が生き物を作る。池と水草だけだと寂しいなら、「あまがえるのあおちゃん」や「ざりがにのあかくん」を一匹だけ作って貼っておく(「寂しいからお友達を作って。」と言えば、製作活動の導入にもなります)。
- 草だけ貼っておいて「わんぱくだんのはらっぱジャングル」の生き物を作る(わんぱくだんの3人も、子どもが作りたくなります)。
他にも、列車だけ作っておいて、子どもと「くだもの列車」を作る、川だけ作っておいて、子どもと「春の小川」を作る、手袋だけ作っておいて、子どもと「てぶくろ」に入る動物を作るなど、歌や絵本には、いくらでも参考になる場面があります。
「前もって作るのは一部分、全体を作るのは子どもと製作活動で作る」をすると、プライベートで壁面に費やす時間は、ほとんどいらなくなります。
子どもの作品を壁面に飾るときも、できれば子どもと一緒に考えましょう。
自分で壁面を作った満足感・達成感から、子どもが壁面のことをもっと好きになりますよ。
季節から連想されるワード
「2月っていうと、何があったっけ?」「7月と言えば・・・」などと考えると、毎回悩んでしまいます。季節毎に、関連したワードを並べたので、参考にしてください。他に思いついたものを、自分で追加してくださいね。
春のワード
- 春の行事やイベントと関連したワード・・・入園式、新入園児、カバン、お花見、さくら、ごちそう、イースター、イースターエッグ、遠足、ハイキング、おべんとう、バス、こどもの日、こいのぼり、カブト、しょうぶ、母の日、カーネーション、ハート
- 自然・・・梅、チューリップ、タンポポ、桜、しょうぶ、スミレ、クローバー、菜の花、サクランボ、イチゴ、タケノコ、ツツジ、ゼンマイ、牡丹、アスパラガス、キャベツ、そら豆
- 生き物・・・ミツバチ、テントウムシ、ツバメ、チョウ、イモムシ、ダンゴムシ、オタマジャクシ、ひよこ
これも、大人が全部作る必要はありません。
子どもの作品を飾って、「なんか寂しいな」というときに、ワンポイントで追加するだけです。
- お母さんの絵を飾って、ワンポイントでカーネーションを作って貼る。
- 子どもが作った人形を飾って、足元を菜の花畑にする(これはちょっと時間がかかります)。
- 壁面の空いたスペースに、ミツバチやテントウムシを飛ばす。
こんな感じで、利用してください。
基本的には、
×「季節感のある壁面にしたいから、何を作ろうかな」→大がかりなので時間がかかる。
○「子供の作品を飾るだけだと少し寂しいから、何を追加しようかな」→ワンポイントの追加なので時間がかからない。
このように考えましょう。
子どもの作品自体が、その時々の季節や遊びに合ったもののはずなので、季節感のあるものを、特別にたくさん追加しなくても良いですよね。
夏のワード
- 夏の行事やイベントと関連したワード・・・父の日、七夕、笹飾り、星、天の川、織り姫・彦星、祭り、おみこし、縁日、かき氷、水風船、花火、キャンプ、テント、麦わら帽子、海、ビーチパラソル、うきわ、ビーチボール、プール、シャワー
- 自然・・・雨、雨のしずく、虹、あじさい、スイカ、朝顔、ひまわり、トマト、キュウリ、ピーマン、なす、オクラ、バラ、木苺、メロン、ほおずき、トウモロコシ
- 生き物・・・虫取り、虫かご、虫取りアミ、カニ、カタツムリ、ホタル、カエル、セミ、カブトムシ、クワガタ、金魚、カメ、タコ、イカ、ヒトデ、イソギンチャク、貝、イルカ、クジラ、クラゲ、熱帯魚、魚、ウナギ
- その他・・・傘、てるてる坊主、風鈴、蚊取り線香、うちわ、葉っぱの傘、長靴、カッパ、水やり、じょうろ、水槽、水草、ヨット、ヤシの木、島、宝島、宝箱、イカリ、船、海賊船、ヤシの木
秋のワード
- 秋の行事やイベントと関連したワード・・・お月見、月、ウサギ、ススキ、月見団子、音楽会、音符、楽器、ハロウィン、カボチャ、ジャックオーランタン、三日月、コウモリ、お化け、お城、魔女、稲刈り、田んぼ、お米、稲、カカシ、芋掘り、芋、運動会、リレー、玉入れ、綱引き、万国旗、ポンポン、七五三、着物、千歳飴
- 自然・・・コスモス、キノコ、切り株、ドングリ、紅葉、落ち葉、イチョウ、クリ、ブドウ、ナシ、キキョウ、菊、ジャガイモ、ザクロ、にんじん、柿、寒椿、レンコン、大根、かぶ、ゴボウ
- 生き物・・・リス、コオロギ、鈴虫、マツムシ、クツワムシ、赤とんぼ、タヌキ、スズメ
- その他・・・本、絵本
冬のワード
- 冬の行事やイベントと関連したワード・・・クリスマス、クリスマスツリー、リース、クリスマスケーキ、チキン、ごちそう、ハート、サンタ、トナカイ、ソリ、暖炉、プレゼント、星、靴下、正月、干支、初詣、おみくじ、お年玉、門松、正月飾り、しめ飾り、松竹梅、折り鶴、おせち料理、お雑煮、年賀状、初日の出、富士山、小槌、扇、手鞠、獅子舞、鯛、だるま、絵馬、破魔矢、七福神、もちつき、おもち、鏡もち、春の七草、節分、豆まき、鬼、恵方巻き、バレンタイン、ハート、チョコレート、ひな祭り、ひな人形、ぼんぼり、桃、ひなあられ、ひし餅、ちらし寿司、修了式
- 自然・・・ヒイラギ、雪、雪だるま、雪ウサギ、雪の結晶、霜柱、雪合戦、ナンテン、ミカン、なずな、はこべ、水仙、ヒヤシンス、椿、ネコヤナギ、ふきのとう、ワラビ、白菜
- 生き物・・・ウサギ、白鳥、キツネ、ズワイガニ、フグ、冬眠中のクマ・リス・カエル・ヘビなど
- その他・・・帽子、マフラー、手袋、羽根つき、こたつ、コマ、凧、ソリ、スキー、スケート、スゴロク、福笑い、カルタ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
壁面で季節感を出しながら、プライベートの時間をほとんど使わずにすませるために、
- 本物に触れて、その後、子どもが作成したもので壁面を作る
- 大人が作るのはワンポイント
- イラストやラインを参考にする
- 歌や絵本を参考にする
ぜひ、これらを試してみてくださいね。
壁面が寂しい状態のときに、それを見て突っ込まれたとしても、「こういうやり方で、子どもの興味をひくためです。」と、はっきり伝えましょう。
さらに、【作るのがもっと楽しくなる】壁面製作のレパートリーを10倍に増やすアイディア集もチェックして、季節感を出すこと以外の壁面にも目を向けてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、