「3つの柱」「10の姿」
幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が改訂され、聞くようになった言葉です。
改訂される前からある、「五領域」も合わさって、もう訳が分からなくなりますね。
今回は、「3つの柱」「5領域」「10の姿」と、「ねらい」との関係を説明します。
中学生でも分かるくらいに、ものすごく簡単に説明していきますね。
「3つの柱」「5領域」「10の姿」と「ねらい」との関係はとても簡単に表すことができる
「3つの柱」
子供を保育、教育するとき、幼稚園・保育所から高校までの、縦のつながりがとても大事です。
縦のつながりを「資質・能力」という視点で考えたら、3つにまとめることができました。
これが「3つの柱」です。
「ねらい」「5領域」
「資質・能力」や保育の目標を、子どもの姿で表したのが「ねらい」です。
ねらいと内容に基づいて保育をすると、「資質・能力」も育ちます。
「ねらい」は、分かりやすく5つに分類しました。
これが「5領域」です。
「10の姿」
「修了するころには、このくらいまで育っていてほしいな」という姿を考えてみました。
これが「10の姿」です。
「ねらい」が表している姿は、入園、入所から、修了までの間の姿です。
「10の姿」が表している姿は、修了するころの姿です。
関係を考えるときに大事なこと
「3つの柱」「5領域」「10の姿」と「ねらい」との関係を考えるときに、本当に大事なことは、
ねらいと内容に基づいて保育をすると「資質・能力」も育ちます
というところです。
言い換えると、
普段の保育をするときや、保育指導案を書くときは、「ねらい」のことだけ考えれば良い
ということになります。
「学校教育法を常に意識して保育をしてます。」
みたいな人は、少なくとも私の周りでは聞いたことがありません。
「3つの柱」や「10の姿」も、普段の保育にとっては少々規模が大きいです。
「3つの柱」について、ねらいを書くときに注意したいことは、「ねらい」の書き方はどう変わる?改訂前と改訂後でも紹介しています。
そちらも読んでください。
「3つの柱」「5領域」「10の姿」と「ねらい」との関係は、先程までの説明で終わりです。
難しく考えすぎて、分からなくなってしまった人のために、ものすごく省略して、簡単に説明しました。
ですので、少々不適切に感じる人もいると思います。
本当の意味を知りたい人は、幼稚園教育要領や保育所保育指針を読んで理解してください。
また迷ったときに、頭を整理するために、この記事を読んでみてください。
もう少し詳しく説明すると
「3つの柱」
「3つの柱」は、3つの資質・能力のことです。
小学校、中学校、高校、特別支援学校も、この「3つの柱」がつながります。
余裕のある人は、新しい学習指導要領等が目指す姿を見てください。
文部科学省のホームページにリンクしてあります。
幼稚園教育要領解説では「幼児教育において育みたい資質・能力」
保育所保育指針では、「育みたい資質・能力」として載っています。
資質・能力について、書いてある中身は同じです。
幼保連携型認定こども園教育・保育要領も同じです。
「知識及び技能の基礎」
「思考力、判断力、表現力等の基礎」
「学びに向かう力、人間性等」
この3つが「育みたい資質・能力」です。
小学校や中学校では「の基礎」の部分は書かれません。
これがとても重要なことです。
さらに詳しく知りたい方は
【保育だけ特別!】「資質・能力の3つの柱」でみんなが誤解してしまうことを読んでください。
先程も書いたように、ねらいと内容に基づいて保育をすると、「資質・能力」が育まれます。
ですので、普段の保育をするときや、保育指導案を書くときは、ねらいと内容を大事にしてください。
「資質・能力」のことを考えすぎると、分からなくなって保育できなくなります。
「資質・能力」のことを特別に取り上げるのは、研究のときや、小学校との接続を考えるときです。
また、小学校との連携・一貫教育に取り組むと、「資質・能力」で大変なことになる可能性があります。
詳しくは、【大問題!】「3つの柱」で評価を求められる可能性と対応法をご覧ください。
「10の姿」
「10の姿」は、次のように、幼稚園教育要領に載っています。
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は,第2章に示すねらい及び内容に基づく活動全体を通して資質・能力が育まれている幼児の幼稚園修了時の具体的な姿であり,教師が指導を行う際に考慮するものである。
保育所保育指針にも、ほぼ同じ文章が載っています。
「指導を行う際に考慮するものである」と書いてあるので、「10の姿」が常に頭にないといけないように感じます。
でも、ちょっと無理ですよね。
「10の姿」は、保育を振り返るときや、教育課程の検討をするときなどに、参考にしましょう。
白梅学園大学の武藤隆教授(教育要領の作成に関わっている方です)は、次のように述べています。
一読するとお分かりになるように、10 の姿はかなりレベルが高い内容であり、5歳児終了までに100%実現することを求めるものではありません。あくまでも、「こういう姿を目指してほしい」という方向性と捉えてください。3、4歳児は5領域をベースとし、5歳児から10 の姿をイメージした保育を意識していただきたいと思います
5歳児修了時までに育ってほしい姿として示された「10 の姿」は、従来の5領域を具体的な姿として表したもので、5領域とは別個の目標ではありません。
子どもの姿を振り返る視点として、幼稚園でも保育所でも、「10の姿」が参考になるはずです。といっても、これをそのまま目標とする必要はありません。子どもの実態に照らして、重点を置く姿を定めたり、全く別の目標を持ったりしても良いでしょう。「10 の姿」は5歳児を想定していますが、もちろん5歳になったからといって、突然、こうした姿が表れるのではありません。3、4歳のどのような育ちが「10 の姿」につながるのかを、自園の子どもを通して考えるのも良いでしょう。
まとめ
「3つの柱」
保、幼、小、中、高に共通する、育みたい「資質・能力」のこと
ねらいと内容に基づいて保育をすると「資質・能力」も育つ
研究のときや、小学校との接続を考えるときに意識する
「ねらい」
「資質・能力」や保育の目標を、子どもの姿で表したもの
普段の保育で意識するのは「ねらい」
「5領域」
「ねらい」を5つに分類したもの
「10の姿」
幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
100%実現するものではなく、あくまでも方向性
保育を振り返るときや、教育課程の検討をするときなどに、参考にする
この記事は、中学生でも分かるくらいに、ものすごく省略して書いています。
ですので、少々不適切に感じる人もいると思います。
頭を整理するための記事だと思ってくださいね。
まだ分かりにくかった人のために、「5領域」と「10の姿」だけについて説明している記事がこちらです。
【まだ悩んでる?】「5領域」と「10の姿」の意味、違い、関係
もう1つ、頭を整理するための記事がこちらです。
【超シンプルな視点で書ける】指導要録・保育要録の意味と書き方
「3つの柱」や「10の姿」について、もっと詳しく知りたい人は、こちらをご覧ください。
【保育だけ特別!】「資質・能力の3つの柱」でみんなが誤解してしまうこと
【10の姿】「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」のとらえ方と具体的な姿
「3つの柱」「10の姿」を踏まえた教育課程・保育課程の見直し方
「10の姿」で語っても小学校の教員に通じない3つの理由と対処法
【大問題!】「3つの柱」で子どもの評価を求められる可能性と対応法
「ねらい」と他の言葉の関係が分からなくなっている人、「ねらい」とはどのようなものか分からなくなっている人は、こちらもご覧ください。
伝わりやすい保育指導案の書き方【ねらいと内容の違いを自信をもって説明する】
「ねらい」の意味と「目標」「目的」「めあて」との違い【保育では「ねらい」が特別です】
保育の適切な「ねらい」とは【全員が達成できる「ねらい」はだめなの?!】
保育指導案の書き方について、もっと詳しく知りたい人、例文などを探さなくても自分で書けるようになりたい人は、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。
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保育塾代表
2人の娘の父親
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ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。
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