保育指導案の書き方を変えると保育も働き方も変わる

保育指導案を書くのが早い人は、段取りの仕方がちがいます。

レポートや企画書を書くときと同じで、段取りを変えると、指導案を書くスピードも、大きく変わります。

今まで意識していなかった人は、保育指導案の書き方を変えると、書くのに必要な時間が半分以下になるでしょう。

時間に余裕ができる分、働き方も変わります。

保育指導案の書き方を変えることで、当然、保育の見直しにもなります。

今回は、保育指導案の書き方を変えるメリットと、そのやり方をお伝えします。

保育指導案の書き方を変えると、保育と働き方はこう変わる

今回お伝えする方法で保育指導案の書き方を変えると、次のようなメリットがあります。

・月案、週案など、書きたいものに合った書き方ができる

・保育指導案を書くのに必要な時間が大幅に変わる

・保育指導案を書きながら保育の見直しができる

・指導を受ける先生との関係が良くなる

メリットばかりで「本当に?」と疑いたくなるくらいだと思います。

でも、本当のことなんです。

ただ、指導案を書く側と、指導をする側の両方の意識を変えないと、十分な効果はありません。

もちろん、この記事を読むだけでもだめです。

ぜひ実践してみてくださいね。

期案、月案、週案では、書き進め方が違う

期というのは、辞書では「区切られた一定の期間」という意味です。

口唇期や、イヤイヤ期、幼児期などの言葉がありますね。

教育課程や年間指導計画に書いてある期は、子どもの成長・発達に即したものです。

期案は、子どもの成長・発達に即して書きます。

教育課程や年間指導計画に、期が示してあっても、期案は書いていないという園もあるでしょう。

期について詳しくは、教育課程・保育課程の「期」とは【ちゃんとした意味を知っていますか?】をご覧ください。

もちろん月案も、子どもの成長・発達は意識して書きます。

しかし、月案は月ごとに書くものです。

そのため、月の途中で期が変わることもあります。

そういった意味では、月案のねらいや内容を書くことは難しいです。

そこで、特に新任の先生の場合は、指導する先生も一緒に考える方が良いでしょう。

週案は、長期の指導計画を元に、学級の実態を踏まえて学級担任が責任をもって作成します。

長期の指導計画より具体的になり、実際の子どもの姿が色濃く反映されているはずです。

そこで、これ以降は週案を書くと想定して話を進めていきます。

もちろん、月案や期案にも応用できる方法ですよ。

まずは今週の週案を用意する

来週分の週案を書くときには、自分が書いた今週の週案を用意してください。

日々の子どもの姿を見ていると、今週の週案に書いた姿が、何らかの形で現れているはずです。

その姿を、子どもの実態として、来週分の週案に書きましょう。

こうすると、連続性・一貫性をもって、指導案を書くことができます。

PDCAという言葉を良く聞きますね。

今週の週案を見ることで、PDCAのC(CHECK)ができます。

子どもの実態が予想と違ったな。

もう少しこうすれば良かったかな。

ということがあれば、今週の週案に赤ペンか何かで書き加えましょう。

今まで見直しをしてこなかった人は、一部分だけでも良いので、少しずつ取り組んでください。

そして、今週の週案に書いた、ねらいや内容の文を、少し変えて来週の週案に書きます。

今週の週案より1週間分、子どもが成長した姿を書くだけです。

子どもの実態によっては、もう1週同じことを書く場合もあるでしょう。

ねらいの数が、前の週より増えることもあります。

あくまでも、子どもの実態に即したものにしなければいけません。

こちらの記事も参考にしてください。

指導案の書き方を詳しく解説 ねらいと内容にぴったりの言葉が思い浮かばない人へ

記録の中にチェックやメモをしておく

子どもの姿を記録するとき、指導案に書いたことと関連する姿があれば、印をつけておきましょう。

指導案を書くときに、記録を見直して探す手間がなくなります。

次の週に書く、ねらいや内容の言葉も、思いついたら単語でも良いのでメモをしておきましょう。

最初は全体をどんどん書いていく

最初は、細かい文の表現は気にせずに、全体をどんどん書いていきましょう。

これは、指導案を書くときに限りません。

全体を書いた後で、細かい変更をします。

最初に書く言葉は、思い浮かばなければ、次の「」のような書き方程度で十分です。

「仲の良い友達と関わって、~して遊ぶとか、思いを出すとか・・・」

最初に全体を書くべき理由は次の3つです。

・全体を見ることでバランスが良くなる

教師の援助が、2つ目のねらいに対して書いてなかった、などのかたよりにも気づけます。

・全体を書いている最中や、一息ついたときに、良い言葉が浮かぶことがある

細かい表現を考えて悩む時間が減ります。

・最初から細かい部分にこだわると、疲れて見直しが嫌になる

後から細かい変更をすると、そのときに見直しも同時にできます。

指導を受ける先生に、早めの相談をする

まず最初に、全体の方向性を確認しましょう。

特に、前回の週案から大きく変えるようなことがあれば、書く前に相談します。

そして、6~7割程度できたところで、この進め方で良かったか再確認しましょう。

細かい言葉が出てこないときには、このときにアドバイスをもらいます。

途中経過を見せることなく、週が変わった朝に提出されても、指導できません。

他クラスの先生と相談して、合わせているようなことがあれば、提出も合わせた方が良いでしょう。

同じ話を何回も上司に聞かせて、時間を取ってはいけません。

人数が少ない園や、新任の先生の場合は、最初から上司も一緒に打ち合わせしても良いですね。

早めに取りかかるのには限度がある

時間のかかる仕事には、早めから取りかかりたいものです。

しかし、指導案の場合は、早めに取りかかるのにも限度があります。

週の真ん中で、次の週の週案を提出することはできません。

できたとしても、週の始めしか子どもの姿を見てないですよね。

子どもの姿を見ずに、想像で書くと、時間がたくさんかかります。

先生達を何人も指導する立場からすれば、早めに提出してほしい気持ちも分かります。

しかし、早めの提出で、子どもの実態とかけ離れた指導案を直すのには、たくさん時間がかかります。

提出が遅めでも、直す必要がほとんどなければ問題ありません。

問題なのは、提出が遅くて、直すところがたくさんある場合です。

そうならないように、相談を早めにするべきなのです。

きれいに書かなければいけないという意識を変える

普段の指導案は、そこまできれいに書かなくても良いです。

どの程度きれいでなくても許されるか、確認してみると、状況が一気に変わることもあります。

手書きで、丁寧に書かなくてはいけない、と思ってしまうのなら、パソコンを使えば良いでしょう。

先ほど紹介した、全体を書いてから細かい部分を書き直す方法は、パソコンのほうが書きやすいです。

打ち合わせをしながら書くとき、特に図を使うようなときは、手書きで書いたほうが早いですね。

指導案の様式は自分で作る

公開の研究会などではないのなら、様式を変えてしまいましょう。

大事なのは、子どものためになるかどうか。

様式を守ることで仕事が遅くなるのなら、変えてしまった方が楽です。

書くスペースがないなら、拡大コピーをするか、紙を足しましょう。

うまくいかなかったら、次の週に、様式を元に戻せば良いだけです。

様式については、こちらの記事もご覧ください。

伝わりやすい保育指導案の書き方【様式の違いに対応する方法】

「保育指導案の書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。

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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。あなたが読んだこの記事が、そんな始めの一歩になったら嬉しいです。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。