縄跳びは「苦手だ」と感じさせない遊び方をすれば跳べるようになる

縄跳びと聞いて、一番最初に思いうかぶ跳び方はなんですか?

おそらく、多くの人は前跳びを思いうかべるのではないでしょうか。

でも、前跳びって難しいです。

・他の運動とは違う、不自然な手の動きで跳ぶ

・縄を回す

・リズミカルに跳ぶ

・回す動作と跳ぶ動作のタイミングを合わせる

これらを全部一緒にしないといけません。

いきなり前跳びをしようと思うと難しいです。

そして、苦手意識を持ってしまいます。

この記事では、前跳びをする前の段階で、縄を使った、いろいろな遊びを紹介しています。

普段の保育に、どれが取り入れやすいか、考えながら読んでみてください。

縄跳びを跳ばない遊び方

縄の上を渡る

地面に置いた縄の上を歩きます。

まっすぐだったりグニャグニャにしたり。

みんなの縄をつないで、長い道を作っても面白いですよ。

大勢で参加できる遊びになります。

綱引きに使う

縄が丈夫なものであれば、綱引きに使ってみましょう。

長縄の端を結んでつなげれば、いろんな方向から引っ張ることもできます。

相撲に使う

子ども用の縄を2本つなげて輪を作り、その中で相撲ができます。

1本分の長さの輪なら手押し相撲に調度良いです。

縄を4つ折りにして、2人でそれぞれの端を持ち、引っ張り合います。

そうすると、手押し相撲の反対、引き相撲です。

ロープやリボンとして使う

縄の端をズボンの中に入れて、反対の端が地面につかないよう走ります。

忍者の修行です。

新体操のリボン、電車ごっこ、しっぽ取り、魚釣りなど、いろいろと使えます。

いろはにこんぺいとう

縄を持つ人を2人決めます。

縄は2本使います。

「いろはにこんぺいとう、上か下か真ん中か♪」

と歌いながら、縄を動かします。

歌い終わったら手を止めて、縄をピンと張ります。

他の人たちは、この間、後ろを向いて目隠しをしています。

歌の後で、上か下か真ん中を選び、縄の方に向き直ります。

縄の上か、縄の間か、縄の下か、選んだ場所を、縄に当たらないように通り抜けます。

当たってしまったり通れなかったりしたら、持つ人と交代です。

ルール、歌詞ともに、地域によっていろいろです。

フープの代わりに使う

輪にした縄をくぐる。

空中に投げてくぐる。

並べてケンケンパをする。

フープの代わりにすると、いくらでも遊び方が考えられます。

柔らかいので、投げてもフープより安全です。

いろいろな跳び方で跳ぶ

地面に置いた縄を跳ぶ

まずは、動いていない縄を跳んでみましょう。

なにかを跳びこえることで、自分に向かってくる縄を跳ぶ感覚につながります。

また、いろいろな跳び方をすることで、体が自由に動かせるようになってきます。

レベル1 一回ずつ縄の方を向いて跳ぶ

地面に縄をまっすぐ置きます。

縄を跳びこえたら、体の正面を縄の方に向けて、また跳びこえます。

子どもが大縄跳びをするときに、最初は一回ずつ縄の方に向き直って跳びますよね。

あの跳び方です。

レベル2 横にジャンプして縄を跳ぶ

地面に縄をまっすぐ置きます。

縄の方を向かずに、左右にジャンプして、縄を跳びこえます。

慣れないうちは、相当大きくジャンプするはずです。

大縄跳びに慣れてくると、向かってくる縄を見ずに、回している人の方を見て、その場で跳びますね。

あの跳び方に近いです。

レベル3 前後にジャンプして縄を跳ぶ

地面に縄をまっすぐ置きます。

最初は縄の方を向いて、跳びこえます。

そのまま、体の向きを変えずに、後ろ向きでジャンプして、跳びこえます。

これを何度か繰り返します。

レベル4 大きいジャンプで縄を跳ぶ

地面に縄をまっすぐ置きます。

レベル1~3と、跳ぶ方向が90度変わります。

縄の端の方に立って、縄に沿って跳びます。

縄と比べてどのくらい跳べるか、試す跳び方です。

子どもに親しみやすいようにレベル1~4という表現をしましたが、これは適当につけただけです。

レベル2や3は、子どもによっては全然できません。

レベル4は、子どもに跳びこえられるはずがありません。

ゲーム感覚で楽しんでくださいね。

親子の活動でやっても盛り上がりますよ。

地面から離した縄を跳ぶ

地面から離した縄も跳んでみましょう。

地面から少しずつ離して、高く跳べるようにするときは、安全に気をつけて。

子どもに合わせて、マットなどの用意もしてくださいね。

縄を斜めにして、左右の高さを変えると、子どもが自分で好きな高さを選んで跳べます。

ゴム跳び・ゴム弾のような跳び方をするのであれば、安全のために、縄ではなくゴムにしましょう。

動いている縄を跳ぶ

ロープ回し

真ん中で1人が縄の端を持ち、地面を擦るように回します。

残りの人が回ってきた縄を跳びます。

長い縄を使うと、大人数で遊べますよ。

縄の端に当たることもなくて、痛い思いをしなくてもすみます。

波、ヘビ

大縄で、縄を横に揺らしたり縦に揺らしたり。

その場で跳んでも良いし、走り抜けても良いです。

みんなでキャアキャア言いながら楽しめます。

縄に当たった人は、縄を持つ人と交代しても良いですね。

 縄以外の物を跳ぶ

縄を跳ぶのに慣れてきたら、他の物も跳んでみましょう。

ボールや棒を跳びこえる。

跳び箱の段の上に跳び上がる。

これらのように、縄以外の物を組み合わせても面白いですよ。

縄跳び歌で大縄跳びをする

「大波小波」、「郵便屋さん」ともに、歌詞は各地で違うので省略します。

子どもが跳ぶペースに合わせて、じっくりと付き合いましょう。

子どもが楽しんでできるのが一番です。

このときの順番待ちも、友達との関わり方やルールを学ぶ大切な場面です。

大縄跳びをすると、友達との関わり方が大きく変わってきますよ。

大縄に入る、かけぬける

回っている縄を追いかけて、みんなで走りぬけてみましょう。

できない子どもも、手をつないで走るとタイミングが分かります。

向かってくる縄を跳びこえて入る方が難しいですよね。

もう跳べるようになった子どもが、入るタイミングで声をかけてくれます。

「今、今、今」とか「はい、はい、はい」とか。

縄が怖くて、縄から離れすぎてしまうときには、待つ位置に目印をつけてみましょう。

ダブルダッチをする

ダブルダッチは、自分1人で跳ぶ縄跳びよりはずっと簡単です。

理由は、子どもが縄を回さなくて良いから。

回っている縄に入る必要はありません。

縄2本の間に立った状態から始められます。

大縄を跳びこえて入ることができるなら、ダブルダッチも回っている状態に入ることができます。

ダブルダッチの利点

・友達と一緒に跳んだり友達を応援したりする

・いろんな跳び方をするので、リズミカルに跳ぶことができるようになる

・跳びながら回る、出たり入ったりする、側転するなど、子どもがいろいろな技を考える

・順番待ちの間に、「特訓してくる。」と言って、いつの間にか前跳びなどができるようになる

ダブルダッチのやり方は
ダブルダッチは幼児も跳べる!入れる!技もできる!意外と簡単な跳び方・入り方・回し方をご覧ください。

自分で縄を回して跳ぶ

ここまで紹介してきた遊びを十分にしていれば、リズミカルに跳べるようになっているはず。

あとは縄をうまく回すだけです。

片手で縄をまとめて持って、片手だけで回してみる。

エア縄跳びをする。

うまくできない子どもに教えるのであれば、これがオススメです。

縄跳びの技を教えるのであれば、気をつけてもらいたいことがあります。

あや跳びの方が、交差跳びより難しいです。

子どもたちが自主的に技を増やしていくと、交差跳びの方が先にできるようになります。

もちろん、子どもによって、何を難しいと感じるかは違うので、あや跳びの方が簡単にできる子どももいます。

子どもの姿に合わせて、順番にはこだわらずに教えてくださいね。

2人跳び・仲良し跳び

1人が回して、もう1人が前から縄に入る。

回している人の後ろから入る。

入る人数を増やす。

2人が横に並んで、2人で縄を回す。

ここまでくると、いくらでも技が増えていきます。

縄跳びを通しての経験

縄跳びは1人でやっても楽しいです。

でも、大縄やダブルダッチ、仲良し跳びなど、友達との関わりもたくさんあります。

他にも、縄跳びを通して、いろいろな経験をすることができます。

ある幼稚園で、子どもが大縄跳びに入ろうとしていました。

タイミングがつかめなくて、毎回、縄が頭に当たってしまいます。

そのたびに、「あれ~?」と言いながら、何度も笑顔で繰り返します。

何度も繰り返した後、最後には、タイミングをつかんで、入れるようになりました。

この子どもは、「何回も頭に当たって面白かった。」と言っていました。

イメージでは縄に入れるはずなのに、なぜか頭に当たってしまうことが不思議だったようです。

うまくいかないことを気にしないどころか、それ自体を楽しむ。

素晴らしい経験ですよね。

あきらめない、うまくいく方法を考えていろいろと試す、新しい跳び方や遊び方を考える・・・

いろいろな経験をしましょうね。

縄跳びに限らず、子どもの発達に合った遊び方をすることが、とても大事です。

他の遊びについての記事も、チェックしてくださいね。

関連記事はコチラ
ピカピカに光らせるだけじゃない こんなにあった泥団子の遊び方
プール遊びで考える「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」
リレー・かけっこで考える「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」
【子どもを待たせない】「イス取りゲーム」のアレンジ10選
合奏・楽器を使った遊びで考える「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」
【子どもが育つ】「おべんとうばこのうた」年齢別10のアレンジ・発展形
むすんでひらいてのアレンジ&他の歌や手遊びへのつなぎ方30選(無料楽譜4種つき)

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

「もっといろいろと知りたい」という方は、

ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。