指導要録・保育要録をパソコンで「無料」かつ「安全」に作成する方法

・要録は手書きに決まってる。

・園に個人のパソコンがないのに、できるわけない。

・セキュリティーや予算の面で、絶対無理。

こんな理由で、指導要録・保育要録を手書きにしている人はいませんか?

この記事では、指導要録・保育要録を書く際に、パソコンを利用して効率化する方法を紹介しています。

しかも、無料で安全に行える方法です。

「パソコンが2台しかない」という園でも、取り入れることができますよ。

指導要録・保育要録をパソコンで作成・保存・送付する利点と問題点

まず、幼稚園の指導要録や、保育所の保育要録を、パソコンで作成・保存・送付することは可能です。

(自治体によっては、なにかしらの規定があるかもしれませんが)

要録をパソコンで作成・保存・送付すると、大きな利点があります。

  • 清書する時間が大幅に短縮される
  • 間違えることを恐れずに書くことができる
  • 同じことを何度も書かずにすむ

とにかく、負担が大きく軽減されます。

でも、作成・保存・送付をパソコンで行うと、いろいろな問題が出てきます。

  • 本当のことが書いてある?
  • データが消えてしまわない?
  • 改ざんや流出の可能性は?

というような問題です。

これらのような問題を含め、

「要録をパソコンで書いたり保存したりするときには気をつけて」

ということが、文部科学省のホームページに載っています。

指導要録の作成及び保存等における情報通信技術の利用について

きちんと管理できるのであれば、要録をパソコンで作成・保存・送付しても良いんです。

要録をパソコンで「無料」かつ「安全」に作成するには

要録をパソコンで「無料」かつ「安全」に作成する方法は、要録の1部を電子化することです。

園により、状況が違うので、一概には言えませんが・・・

幼稚園の「指導に関する記録」、保育所の「保育に関する記録」をパソコンで作成、印刷するだけであれば、ほぼ全ての園で、「無料」かつ「安全」に行うことができます。

要録を電子化するのにも段階がある

要録の全てを電子化すると、データの流出や、消失の問題が起ります。

問題が起きないようにするためには、パソコンの知識も経験も必要です。

でも、そんなこと無理ですよね。

業者に頼むと、システムの導入に数万~十数万の費用がかかります。

さらに、毎年いくらか必要な場合も多いです。

要録だけではなくて、他のいろいろなことが便利にはなりますが・・・

予算がないと無理ですよね。

「要録の、どの部分を電子化するか」ということを考えましょう。

「指導要録・保育要録を電子化する」といっても、いろいろな段階があります。

  作成 保存 送付
1 書面 書面 書面
2 電子化 書面 書面
3 電子化 電子化 書面
4 電子化 電子化 記録媒体(USBなど)
5 電子化 電子化 電子化

オススメするのは、「作成は電子化」「保存は書面とデータの両方」「送付は書面」です。

要録を電子化するときの問題を解決する方法

要録を電子化するときには、「作成・保存・送付などの、どの部分を電子化するか」ということを考えてみましょう。

すべてを電子化することで起きる、多くの問題が解決されます。

要録の一部を電子化する具体例を挙げますので、園の実情に合わせて、アレンジしてください。

  • 「学籍に関する記録(保育所では「入所に関する記録」)」は、一部をパソコンで入力する

書面にして保存すれば、その時点でデータは破棄できます。出席番号や、名前、押印の部分、子どもの住所が変わったときなどは、その都度手書きで記入します。ただし、自治体により状況は違うので、要録の一部をパソコン入力にすることが可能なのか、確認が必要です。「園の住所はハンコでも良い」などの自治体であれば、パソコン入力と手書きの併用も可能なのではないでしょうか。

  • 「指導に関する記録(保育所では「保育に関する記録」)」は、下書きしたものをコピー貼り付けする

まず、様式と同じサイズにした、下書き用のデータを各自に渡します。下書きも全て勤務時間中にするか、持ち帰りの仕事になってしまうかは置いといて・・・下書きをコピー貼り付けして、出力するだけであれば、園にあるパソコンが少なくても可能です。安全のために、データの保存は、パソコン本体ではなくて、専用のUSBなどに記録してくださいね。

要録の電子化がこれだけであれば、要録のためのシステムを導入しなくても、無料で実行できます。

要録作成の負担は、大きく軽減されます。

システム導入に伴う、仕事のやり方の変更や、データ管理の手間もありません。

書面で保存、送付をするので、電子化に伴うデータの紛失、流出の心配もありません。

仕事の持ち帰りについては、要録に関わらず、月案や行事の準備などにもついて回る問題ですよね。

要録を持ち帰りの仕事にしないためには、

【超シンプルな視点で書ける】指導要録・保育要録の意味と書き方

【1語からスタートしても書ける】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

【文のスタート・つながりで悩まない】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

を読んでみてください。

まとめ

指導要録・保育要録はパソコンで作成することができ、時間が大幅に短縮されます。

データの消失や流出には十分注意をする必要がありますが、無料で安全に行う方法があります。

「要録の一部を電子化する」という方法です。

要録の作成はパソコンで、保存はデータと書面で、送付は書面で行うと、問題の多くが解決されます。

園の実情に合わせて、取り入れてみてください。

要録に限らず、電子化をすることが園単独では難しい場合は、教育委員会等に相談しましょう。

保育の現場は、学校現場に比べて、大きく取り残されているのが現状です。要録の電子化もその一つです。このことについて、詳しくは
【保育現場が取り残されないために】知っておきたい要録の裏話を読んでみましょう。

要録に書く内容で困っている人は

【超シンプルな視点で書ける】指導要録・保育要録の意味と書き方

【1語からスタートしても書ける】指導要録・保育要録をスラスラ書く方法

を読んでみてください。

最新ニュース(2019/02/08)

要録の一部とかじゃなくって、しっかり電子化したい!!でも予算が無い・・・という方にお知らせです。

指導要録のすべてをPCで作成できるプログラム(無料)があることを「Sadaji67」の管理人様よりご連絡いただきました。

本システムは幼稚園に勤務する娘の事務軽減を図ってあげたいという意図のもとに開発したもので、同じ環境にある方々に広く使ってもらいたいということで公開することにしました。
「Sadaji67」のサイトより引用
ということで、善意で無料のプログラムを公開、配布していらっしゃいます。
 
私が以前に勤務していた幼稚園で使っていた、某業者のソフト以上に細やかな配慮(子どもの年齢を月まで計算してくれる機能など)もされています。
 
VBAに精通しているか身近にVBAに精通されている方がいて、ご自身でシステムの改良、改変をしたいという方は直接お電話ください。VBA編集プロテクト解除のコードを教示致しますのでご理解のほど宜しくお願いいたします。
「Sadaji67」のサイトより引用
ということなので、「Sadaji67」の管理人様に連絡を取れば、システムの変更も可能です。
市区町村の要録担当者に動いてもらえば、市区町村によって違う様式にも合わせることができます。
 
「時期的に今年度の導入は無理」という方も、試しにプログラムを受け取って、試験運用をしてみてはいかがでしょうか。
Sadaji67」のサイトはこちら
 
試しに使ってみて、来年度以降、パソコンで要録を記入できるようにしましょう。サイトを見て、「マクロを有効化する必要がある」という言葉に困った方は、【それ危険です】「マクロの有効化」をスルーしている人へという記事を書きましたので、ご覧ください。
 

最新ニュース(2020/12/26)

Sadaji67」の管理人様よりご連絡いただきました。古希を迎えられるにあたり、サイトを閉鎖されるそうです。奥様と幸せに過ごされる日々を、保育塾としても心より願っております。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、
ホームページや、このサイトの記事が一覧になったサイトマップをご覧ください。

まずは、今年度のように要録に苦労しないために、
「発達を考えた遊び方」のカテゴリー
子どもの姿・見取りのカテゴリー
環境の構成、保育者の援助のカテゴリー
などをチェックして、好きな記事を読んでみましょう。

「要録の書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、下の画像をクリックして、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。

保育塾ベーシックの紹介

また、この記事のように、「保育現場の状況に合わせた、現実的な働き方改革」についての研修・ワークショップを受けてみたい人は、お問い合わせから気軽にご相談ください。

 

 

 

 

管理人うち@uchi70794834|Twitter)

保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務経験あり。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。

保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。

ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・

そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。

ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。