指導要録・保育要録の「主語が分からない問題」を解決する3つのルール

・「子どもなのか先生なのか分からないでしょ。」みたいに言われた。

・この表現で分かるはずなのに、上司に分かってもらえない。

・主語を毎回つけるのは変だと思うけど、他にどうするか分からない。

こんな風に思っている人、いませんか?

幼稚園の指導要録や、保育所の保育要録を書いていると、主語をどう書くのか分からなくなることがありますよね。

書いている本人は分かっていても、読んだ人には分かってもらえないこともあります。

この記事では、指導要録・保育要録を読んだ人に、主語を分かってもらいやすくする3つのルールを紹介しています。

どれか1つでも取り入れると、一気に分かりやすくなりますので、試してみてくださいね。

指導要録・保育要録の主語を分かりやすくする3つのルールとは

指導要録・保育要録の主語を分かりやすくするルールは、次の3つです。

  • 文末の表現を、子どもと担任とで区別する。
  • 1つの文に登場させるのは1人にする。
  • 「以前の子どもの姿」「担任の援助」「今の子どもの姿」の3文で書く。

それでは、1つずつ説明しますね。

文末の表現を、子どもと担任とで区別する

文末の表現に違いがあると、主語が無い場合でも、読んだ人は主語を推測しやすくなります。

「1学期には〇〇していた。そこで、上手くいくように、△△してきた。すると、3学期には☆☆できるようになった。」

この文は、「〇〇していた。」と「△△してきた。」が似ています。

「子どもが〇〇していた」「先生が△△してきた」のつもりで書いていても、そのように受け取ってもらえないこともあります。

子どもと担任とで、文末の表現を変えてみましょう。

たとえば、子どもの方には「姿」をつけるという方法があります。

「1学期には〇〇する姿があった。そこで、上手くいくように、△△してきた。すると、3学期には☆☆する姿が見られるようになってきた。」

「姿」が書いてあると、文の主語は子どもだという推測ができます。

他にも、次のような文末の表現で、子どもと担任を区別してみましょう。

以前の子どもの姿

  • 〇〇する姿があった。
  • 〇〇する姿が見られた。
  • 〇〇することもあった。
  • 〇〇することが多かった。
  • 〇〇しがちであった。
  • 〇〇のようであった。
  • 〇〇の様子が見られた。
  • 〇〇の様子であった。

担任の援助

  • △△してきた。
  • △△を行った。
  • △△の働きかけをした。
  • △△の働きかけを行った。
  • △△の援助をした。
  • △△の援助を行った。
  • △△の支援をした。
  • △△の支援を行った。

今の子どもの姿

  • ☆☆する姿が見られるようになった。
  • ☆☆する姿が現われた。
  • ☆☆する姿が多くなってきた。
  • ☆☆しようとする姿が見られるようになった。
  • ☆☆しようとする姿が現われた。
  • ☆☆しようとする姿が多くなってきた。
  • ☆☆できるようになった。
  • ☆☆できるようになってきた。
  • ☆☆できつつある。
  • ☆☆しつつある。
  • ☆☆になってきた。
  • ☆☆になっている。
  • ☆☆する態度がうかがえる。
  • ☆☆する気持ちが見てとれる。

「姿」や「態度」を「様子」に変えてもOKです。

「絶対にこの言葉を使わないといけない」ということはありません。

文末の表現に、ある程度のルールがあれば、読む人が推測しやすくなります。

あなたにとって使いやすい文末の表現を選んでくださいね。

1つの文に登場させるのは1人にする

1つの文に、子どもと担任が登場すると、主語が分からなくなります。

特に、分かりづらくなるのは、「援助」の部分です。

「誰にでも分け隔て無く接することができるようになることを願って、じっくりと関わってきた。」

この文は、ちょっと分かりにくいですね。

「誰にでも分け隔て無く接することができるようになる」

この部分が子どもです。

「願って、じっくりと関わってきた」

これは担任です。

「誰にでも分け隔て無く接することができるようになる」という部分を、やめてしまいましょう。

要録に、担任の願いを書く必要はありません。

「誰にでも分け隔て無く接することができていない」ということは、子どもの姿を読んだ時点で分かります。

担任の援助を書くときには、願いを書かずに、実際にした援助だけを書くようにします。

援助の部分に、担任だけが登場することになるので、「主語は誰なの?」という疑問は出てきません。

反対に、「じっくりと関わった」という援助の部分は、できれば具体的に書いた方が分かりやすいです。

  • 担任が仲介役となり、いろいろな子どもと触れ合う機会をつくった
  • 友達と触れ合ったり手をつないだりするゲームを、数多く行った
  • 仲間意識をもてるよう、本児と共通点のある子どもとを、一緒に褒めた

など、思い出してみると、いろいろな援助をしているはずです。

援助の書き方については、指導要録・保育要録の内容と保育力をレベルアップさせる「援助」の書き方を読んでみてください。

「以前の子どもの姿」「担任の援助」「今の子どもの姿」の3文で書く

要録を書くときには、「以前の子どもの姿」「担任の援助」「今の子どもの姿」の3文で書くようにしましょう。

  1. 以前の姿はこうだった。
  2. このように援助してきた。
  3. 今はこんな姿になっている。

という3文で書きます。

「1つ目の文は子どもが主語」「2つ目の文は担任が主語」「3つ目の文は子どもが主語」というルールがあれば、主語を書かなくても読む人に理解してもらえます。

友達との関わりについて、3文で書く。

段落を変えて、遊びの追求について、3文で書く。

段落を変えて、生活面について、3文で書く。

段落を変えて、配慮してほしいことについて、3文で書く。

というようにすると、読みやすくなります。

「友達との関わりから書きましょう」ということではありませんよ。

子どもによって、大事にしてきた部分は違うはずです。

特に伝えたいことは、印象に残るように、一番最初や一番最後に書きましょう。

まとめ

指導要録・保育要録は、主語を分かりやすくするために、次の3つのルールで書いてみましょう。

  • 文末の表現を、子どもと担任とで区別する。
  • 1つの文に登場させるのは1人にする。
  • 「以前の子どもの姿」「担任の援助」「今の子どもの姿」の3文で書く。

どれか1つでも取り入れると、とても読みやすくなります。
試してみてくださいね。

さらに、要録をしっかり書きたい人は
指導要録・保育要録の内容と保育力をレベルアップさせる「援助」の書き方
を読んでみてください。
簡単に説明してありますが、内容としては高度です。

要録を肯定的な言葉で書くことが苦手な人は、
肯定的な言葉で「指導要録・保育要録」を書ける3つの法則
を読んでみましょう。

この記事が難しかった人、要録自体を「よく分からない」という人は、

を読んでみてください。

「要録を書くのに、時間がかかって困る」という人は、
指導要録・保育要録に時間を取られる5つの理由と対処法
を読みましょう。

「要録の書き方をもっと詳しく教えてよ」という人は、下の画像をクリックして、「保育塾ベーシック」についての詳しい内容を読んでみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

管理人のUCHI(うち)といいます。 公立幼稚園、幼保園、大学の附属で働いていた元幼稚園教諭。 現在、島根保育塾代表。仕事を効率化するだけなら簡単です。しかし、保育の質を落とさず(むしろ上げながら)効率化することは、現場を経験した人間でないと、なかなか上手くできません。「保育の質を上げる」「労働時間の短縮」これを両立させるための記事を書いていきます。あなたの園に合わせた方法を知りたい人は、お問い合わせくださいね。