・本当のことを書いたのに「否定的」と言われた。
・「もっと違う表現にできない?」と言われても、分からない。
・書くだけでも大変なのに、これ以上無理。
ということを思っている人はいませんか?
この記事では、幼稚園の指導要録、保育所の保育要録を書くときに、肯定的な表現にできる3つの法則を紹介しています。
どれか1つだけでも取り入れることができれば、表現が変わりますので、自分に合った方法を試してくださいね。
指導要録・保育要録を肯定的にする3つの法則とは
指導要録・保育要録を肯定的に書くことができる法則は次の3つです。
- 否定的になることは書かない
- ソフトな表現にする
- 育った姿をしっかり書く
1つずつ、詳しく説明しますね。
否定的になることは書かない
要録って、開示請求があったら見せないといけないんです。
だから、否定的なことは書けません。
否定的なことが書けないのであれば、書くのをやめましょう。
でも、何もせずに終わらせるのではありませんよ。
伝えるべきことは、連絡会議など、他の手段で伝えます。
「でも、ちゃんと書かないとダメでしょ?書かないなんて許されるの?」と思う人は、中学校を思い浮かべてください。
いじめや、性的な問題、金銭トラブルなど、重要だけど書けないことって、いくらでもあります。
家庭がからんでいるなら、なおさら書けません。
中学校の要録に書くことは、幼稚園・保育所とは別物なので、単純に比べることはできませんけどね。
とにかく、
「要録には全てを書くのではない」ということは覚えておきましょう。
ソフトな表現にする
学校は、授業がメインで、テストの点で評価されるため、要録に書く内容は、幼稚園・保育所とは違います。
学校の要録で書く必要が無いこと、書きにくいことも、幼稚園や保育所では書かないといけないんです。
子どもの健康状態や、生活、遊び、人間関係など、いろいろなことを書きますよね。
しかも、肯定的に書きます。
否定的なことを書かなければならないときは、ソフトな表現を使いましょう。
- 一言で表さない
- 「できない」という言葉を使わない
- 「いつもではないよ」ということが分かるようにする
- 書きにくいことは「など」を使う
これが、ソフトな表現にするコツです。
一言で表さない
たとえば、
・感情のコントロールができず、友達に対して暴力的であった。
と書くと、ストレート過ぎますよね。
「暴力的」と一言で表すのをやめてみましょう。
・感情のコントロールができず、友達に手を出したりきつい言い方をしたりしていた。
ずいぶん印象が変わりましたよね。
「できない」という言葉を使わない
さらに「できない」という言葉を使うことをやめてみましょう。
・思いが強すぎて、友達に手を出したりきつい言い方をしたりしていた。
・思いあまって、友達に手を出したりきつい言い方をしたりしていた。
ここでは、「感情のコントロールができない」という言葉を、「思いが強すぎる」に変えました。
このような言い換えは、肯定的な言葉を通して見ると子どもの行動はこう変わるに一覧を載せていますので、参考にしてください。
「いつもではないよ」ということが分かるようにする
さらに「いつもではないよ」ということが分かるようにしてみます。
・思いが強すぎて、友達に手を出したりきつい言い方をしたりすることもあった。
・思いが強すぎて、つい手が出てしまうことや、きつい言い方になることもあった。
書きにくいことは「など」を使う
「など」を使うと、手が出てしまうこと自体を書かずに表現することもできます。
・きつい言い方をしたり泣いたりするなどで、思いを伝える場面があった。
・思いを伝えるときには、泣いてしまうなど、他の手段で伝えようとする姿も見られた。
手が出てしまうことは「など」の部分に入っています。
育った姿をしっかり書く
育った姿をしっかり書くのであれば、育つ前の姿として、否定的な表現をすることもあります。
・1学期の間は、思いを上手く伝えられずに、手が出てしまうことがあった。担任が仲介し、思いを聞き出すことで、言葉で思いを伝えることができるようになってきた。
・以前は、思いを伝えようとして、友達に手を出してしまう姿も見られた。担任は、まず落ち着いて、時間をおいてから言葉で伝えるように促してきた。今では、一旦その場を離れるなど、自分で気持ちを落ち着けた後、言葉で伝えるようになっている。
育った姿をしっかり書けば、以前の姿に少しくらい否定的な表現があったとしても、気になりません。
保護者にきちんと事実が伝えてあれば
という条件はつきますけど。
「友達に手を出す」ということを保護者に伝えてないのであれば、書かない方が無難です。
もし、保護者が読んだときに、「こんなこと聞いてないんだけど(怒)」となります。
まとめ
指導要録・保育要録を肯定的に書くことができる法則は次の3つです。
- 否定的になることは書かない
- ソフトな表現にする
- 育った姿をしっかり書く
さらに、「ソフトな表現にする」には、次のようなコツがあります。
- 一言で表さない
- 「できない」という言葉を使わない
- 「いつもではないよ」ということが分かるようにする
- 書きにくいことは「など」を使う
「以前の姿はソフトな表現にし、育った姿をしっかり書く」ができればベストです。
・1学期の間は、泣いてしまうなど、言葉以外の手段で思いを伝えようとする姿も見られた。担任が思いを聞き出したり代弁したりすることで、言葉で思いを伝えることができるようになってきた。
・以前は、きつい言い方をしたり泣いたりするなどで、思いを伝えようとする場面があった。担任は、まず落ち着いて、時間をおいてから言葉で伝えるように促してきた。今では、一旦その場を離れるなど、自分で気持ちを落ち着けた後、言葉で伝えるようになっている。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。
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