心地よいコードが見付からない。
選んだコードがメロディーに合っているか自信がない。
こんな風に思ったことはありませんか?
今回は「目指せ!コードマスター」の第10回です。
「さよなら」を題材に、「自分でコードを選ぶにはどうすればよいか」を考えて、弾いてみましょう。
実際に弾いて、音を確かめながら読んでくださいね。
この「目指せ!コードマスター」は、
- レパートリーを増やしながら
- コードを少しずつ覚えることができ
- いろんなリズムパターンを身に付けることができる
という、夢のような内容になっています。
第1回「カエルの合唱」と第2回「カタツムリ」、第3回「ぶんぶんぶん」、第4回「しゃぼん玉」、第5回「大きな栗の木の下で」、第6回「きらきらぼし」、第7回「山の音楽家」、第8回「でんでらりゅうば」、第9回「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」を終わらせていない人は、そちらの方もご覧ください。
自分でコードを選ぶための簡単な法則
なんとなく弾いてみて、良い感じのコードをえらぶ。
これができるならOKです。
でも、どうせなら、コードを選ぶ基準というか、法則みたいなものを知りたいですよね。
3コードを使ってみましょう。
3コードとは
ギターを弾く人は、「3コード」を知っている人が多いです。
保育の世界では、聞いたことがないかもしれません。
曲がCメジャー(ハ長調)の場合
Cメジャースケール(ハ長調)「ドレミファソラシド」の音の上に、2つずつ音を重ねると、コードになります。
1番目のC(ド、ミ、ソ)、4番目のF(ファ、ラ、ド)、5番目のG(ソ、シ、レ)の3つが3コードです。
ハ長調の曲では、C、F、Gの3コードを使えば、うまくいきます。
曲がFメジャー(ヘ長調)の場合
Fメジャースケール(ヘ長調)「ファソラシ♭ドレミファ」の音の上に、2つずつ音を重ねるとコードになります。
1番目のF(ファ、ラ、ド)、4番目のB♭(シ♭、レ、ファ)、5番目のC(ド、ミ、ソ)の3つが3コードです。
ヘ長調の曲では、F、B♭、Cの3コードを使えば、うまくいきます。
3コードの性格
1番目のコード(ハ長調ならC、ヘ長調ならF)を「トニック」と言います。
4番目のコード(ハ長調ならF、ヘ長調ならB♭)を「サブ・ドミナント」と言います。
5番目のコード(ハ長調ならG、ヘ長調ならC)を「ドミナント」と言います。
曲がCメジャー(ハ長調)の場合
- トニック C 安定
- サブ・ドミナント F ちょっと不安定
- ドミナント G 不安定でトニックに行きたがる
曲がFメジャー(ヘ長調)の場合
- トニック F 安定
- サブ・ドミナント B♭ ちょっと不安定
- ドミナント C 不安定でトニックに行きたがる
具体的な考え方
実際にコードを考えるときには、次のようにしてみましょう。
- 3コードは何かを考える
- 曲に3コードを当てはめて弾いてみる
- 似たコードに置き換える
では、順番に説明しますね。
3コードは何かを考える
今回の「さよなら」の場合は、ト音記号の横に♭が1つある、Fメジャー(ヘ長調)で考えます。
「ファソラシ♭ドレミファ」を書いて、その上に音を重ねます。
1番目(トニック)と4番目(サブ・ドミナント)と5番目(ドミナント)のコードが3コードです。
考えるのが難しい人は、覚えてしまいましょう。
Cメジャースケール(ハ長調)のとき、3コードはC、F、G
Fメジャースケール(ヘ長調)のとき、3コードはF、B♭、C
これまでやってきたのは、この2つの調です。
他の調の3コードは、これから先の回でお伝えします。
曲に3コードを当てはめて弾いてみる
童謡や、保育で使われるような簡単な曲は、曲の始まりと終わりはトニック(1番目のコード)でOKです。
トニックは安定しているからです。
次に、メロディーで使われている音を見ましょう。
何の音がたくさん使われているでしょうか?
たとえば、メロディーに「ドドレドラ」という音が使ってあれば、「ド」の音が入ったコードが合うだろうと予想できます。
それから、メロディーに2分音符や付点2分音符などの、長い音譜が使われているときは、その音が入ったコードを選ぶと合いやすいです。
似たコードに置き換える
C(ド、ミ、ソ)とEm(ミ、ソ、シ)は、ミとソの音が共通しています。
C(ド、ミ、ソ)とAm(ラ、ド、ミ)は、ドとミの音が共通しています。
ですので、似たような響きになります。
簡単な曲に変化をつけたいときは、CをAmやEmに置き換えます。
反対に、コードを簡単にしてしまいたいときは、AmやEmをCに置き換えます。
同じように、F(ファ、ラ、ド)やG(ソ、シ、レ)も、似たコードと置き換えてみましょう。
※もちろん、曲の雰囲気は変わります。
ヘ長調の場合だと
F(ファ、ラ、ド)とAm(ラ、ド、ミ)はラとドが共通です。
F(ファ、ラ、ド)とDm(レ、ファ、ラ)はファとラが共通です。
ハ長調の場合と同じように、コードを置き換えることができます。
※もちろん、曲の雰囲気は変わります。
「さよなら」にコードをつけてみる
実際に、「さよなら」の曲にコードをつけてみましょう。
簡単なコードで十分です。
たとえば、こんな感じのコードをつけたら、実際に左手はどのように弾くか思い浮かびますか?
子ども達のために弾くのであれば、簡単なコードで十分です。
分散和音にした楽譜がこちら↓
「さよなら」のような3拍子の曲に、定番の伴奏をつけようとすると、同じコードが少なくとも1小節は続いたほうが弾きやすいです。
なるべく簡単に書きかえてしまいましょう。
もちろん、人によって好みがあるので、気に入ったものが見付かれば、それが一番です。
今後の予定
次回は、
目指せ!コードマスター(第11回「夕焼け小焼け」で3コードを他のコードに置き換える)です。
余裕のある人は、次回までに曲に合うコードを試してみてくださいね。
メロディーの始まりは「ソ」の音で、ハ長調です。
この記事の関連記事は、こちらです。
試してみてください。
少しずつステップアップして、自然とコードでの伴奏ができるようになりますよ。
目指せ!コードマスター(第1回「カエルの合唱」でCFGをマスターする)
目指せ!コードマスター(第2回「カタツムリ」でAmDmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第3回「ぶんぶんぶん」でセブンスを考える)
目指せ!コードマスター(第4回「しゃぼん玉」でEmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第5回「大きな栗の木の下で」で定番のリズムをマスターする)
目指せ!コードマスター(第6回「きらきらぼし」で定番リズム2をマスターする)
目指せ!コードマスター(第7回「山の音楽家」で「ヘ長調」の曲にコードをつける)
目指せ!コードマスター(第8回「でんでらりゅうば」でB♭Gmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第9回「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」で「コードに使われる音の法則」を考える)
目指せ!コードマスター(第12回「ふるさと」でDとBmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第13回「大きな古時計」でC6について考える)
目指せ!コードマスター(第14回「ともだち賛歌」右手でコードを弾いてみる)
目指せ!コードマスター(第15回「こいのぼり」伴奏を簡単にする方法をいろいろと考える)
目指せ!コードマスター(第16回「うれしいひなまつり」で短調のコードを考える
目指せ!コードマスター(第17回「かごめかごめ」で「♭5」「sus4」「dim」「aug」を知る)
目指せ!コードマスター(第18回「聖者の行進」で「テンション」を知る)
目指せ!コードマスター(第19回「七つの子」コードを変えるポイントを考える)
目指せ!コードマスター(第20回「まとめ」スケールとコードを一気に覚える)
それから、
ピアノが自由に弾けるようになる!おすすめコード伴奏も参考にしてくださいね。
もっといろんな楽譜がほしい人は
【簡単・無料のピアノ楽譜】コード3つで弾ける童謡・保育の定番曲まとめ
をご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、