今回は「目指せ!コードマスター」の第16回です。
「うれしいひなまつり」を題材に、短調の曲にコードをつけることを考えてみましょう。
「シとミとラの音にフラットがついているから難しい」と、思っている人のために、伴奏に♭が全くない楽譜も用意しました。
実際に弾いて、音を確かめながら読んでくださいね。
この「目指せ!コードマスター」は、
- レパートリーを増やしながら
- コードを少しずつ覚えることができ
- いろんなリズムパターンを身に付けることができる
という、夢のような内容になっています。
第1回「カエルの合唱」と第2回「カタツムリ」、第3回「ぶんぶんぶん」、第4回「しゃぼん玉」、第5回「大きな栗の木の下で」、第6回「きらきらぼし」、第7回「山の音楽家」、第8回「でんでらりゅうば」、第9回「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」、第10回「さよなら」、第11回「夕焼け小焼け」、第12回「ふるさと」、第13回「大きな古時計」、第14回「ともだち賛歌」、第15回「こいのぼり」を終わらせていない人は、そちらの方もご覧ください。
3コードで伴奏をつけた「うれしいひなまつり」
「3コード」と聞いて「?」が浮かぶ人は、第10回「さよなら」、第11回「夕焼け小焼け」、第12回「ふるさと」も読んでみてください。
「うれしいひなまつり」はCマイナースケール(ハ短調)です。
短調の3コードは、長調のものとは少しだけ違います。
Cm(ド、ミ♭、ソ)、Fm(ファ、ラ♭、ド)、G(ソ、シ、レ)です。
Cマイナースケール(ハ短調)の1番目と4番目と5番目の音(C、F、G)に、お団子のように音を重ねて・・・
というところまでは、長調と同じですが、よく見ると、GmではなくてGになっていますよね。
「うれしいひなまつり」の楽譜が手元にある人は、確認してみてください。
メロディーにシ♭は使われておらず、伴奏はシ♮になっていませんか?
それでは、3コードで伴奏をつけた楽譜で、音を確認してください。
実際に音を出して確認した人は気付きましたね。
これ、伴奏がかなり大きいというか、はっきり言ってうるさいです。
まずは単純に音を減らしてみましょう。
前回の「こいのぼり」で紹介した、omitのコードを使います。
「Gomit3」「G5」「Gno3」は、同じことを表していました。
短調にG(ソ、シ、レ)のコードを使うということと、omitのコードに慣れるために、「G5」と「Gno5」を両方使っています。
「こうしなければならない」ということではないので、適当に変えてみてください。
伴奏に、♭を1つも使っていません。
めちゃくちゃ簡単でしょ。
でも、ちゃんと短調に聞こえますよね。
メロディーが短調なので、伴奏のルート音、5度の音と合わせて、曲全体で短調に聞こえるんです。
Cm、Fm、Gだとうるさくなってしまう理由
前回までは、ずっと3コードで大丈夫だったのに、今回、伴奏がうるさくなってしまったのは、なぜでしょう?
「いや、前回までも、うるさかったよ」と感じていた人もいますよね。
曲の雰囲気が、賑やかで明るいときは、伴奏が少しくらい賑やかでも大丈夫です。
でも、「しゃぼん玉」「ふるさと」などは、伴奏の音が多いと、うるさくなってしまいます。
「うれしいひなまつり」は「雅」な感じの曲なので、伴奏の音は多く重ならないほうが良いです。
だけど、この曲はコードがどんどん変わっていくので、全部にコードを当てはめると、伴奏の音が多くなりすぎます。
そもそも、日本の曲は、もともと長調や短調とは違う音階で作られています。
これについては、次回、詳しくお伝えします。
「雅」な感じを出すために
原曲の楽譜通りに弾くのが一番なんでしょうけど、難しいので、一部分だけ原曲と同じようにします。
左手の動きに余裕がもてるように、リズムは簡単にしました。
この楽譜も、伴奏に♭が1つもありません。
8小節目の2拍目は、ラの音も♭が無いです。
でも、この音がラ♭だと、アラビアの音楽っぽくなります。
試してみてください。
余裕のある人は、原曲のように、8小節目の2拍目を16分音符で「ド、ミ♭、ソ、ド」と弾いてみましょう。
移調して簡単にする
「右手の♭が、どうしてもムリ」という人は、移調をしてしまいましょう。
全体を1音半低くすると、Aマイナー(イ短調)になって、♭が全部無くなります。
その代わり、G(ソ、シ、レ)→E(ミ、ソ♯、シ)になるので、「ソ♯」が登場します。
E5(ミ、シ)を使えば、♯も弾かなくてすみます。
最低音は「ラ」になります。
かなり暗い感じの「うれしいひなまつり」になるので、どうしても右手が♭を拒絶する人だけ、移調をしましょう。
移調について、詳しくは
とんでもなくシンプルで簡単!カタカナのドレミで移調をする方法
をご覧ください。
今後の予定
次回は、目指せ!コードマスター(第17回「かごめかごめ」で「♭5」「sus4」「dim」「aug」を知る)です。
今回、少しだけ触れた「日本の曲は長調や短調ではない」についても、説明していきます。
楽に読めるように書きますが、相当レベル高い内容になります。
関連記事はこちらになります↓
最初からじっくり練習するのも、好きな曲から取り組むのも、なんでもありです。
眺めるだけでも、少しずつレベルアップできるので、とにかく、なるべく多くの楽譜を見ていきましょう。
目指せ!コードマスター(第1回「カエルの合唱」でCFGをマスターする)
目指せ!コードマスター(第2回「カタツムリ」でAmDmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第3回「ぶんぶんぶん」でセブンスを考える)
目指せ!コードマスター(第4回「しゃぼん玉」でEmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第5回「大きな栗の木の下で」で定番のリズムをマスターする)
目指せ!コードマスター(第6回「きらきらぼし」で定番リズム2をマスターする)
目指せ!コードマスター(第7回「山の音楽家」で「ヘ長調」の曲にコードをつける)
目指せ!コードマスター(第8回「でんでらりゅうば」でB♭Gmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第9回「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」で「コードに使われる音の法則」を考える)
目指せ!コードマスター(第10回「さよなら」を題材に「自分でコードを選ぶにはどうすればよいか」を考える
目指せ!コードマスター(第11回「夕焼け小焼け」で3コードを他のコードに置き換える)
目指せ!コードマスター(第12回「ふるさと」でDとBmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第13回「大きな古時計」でC6について考える)
目指せ!コードマスター(第14回「ともだち賛歌」右手でコードを弾いてみる)
目指せ!コードマスター(第15回「こいのぼり」伴奏を簡単にする方法をいろいろと考える)
目指せ!コードマスター(第18回「聖者の行進」で「テンション」を知る)
目指せ!コードマスター(第19回「七つの子」コードを変えるポイントを考える)
目指せ!コードマスター(第20回「まとめ」スケールとコードを一気に覚える)
それから、
ピアノが自由に弾けるようになる!おすすめコード伴奏も参考にしてくださいね。
もっといろんな楽譜がほしい人は
【簡単・無料のピアノ楽譜】コード3つで弾ける童謡・保育の定番曲まとめ
をご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「もっといろいろと知りたい」という方は、