自分で選んだコードでは物足りない。
「もっとちゃんとした伴奏の楽譜で弾いて。」って言われた。
こんな経験をしたことはありませんか?
今回は「目指せ!コードマスター」の第11回です。
「夕焼け小焼け」を題材に、「簡単なコード(3コード)を他のコードに置き換える」ということを考えて、弾いてみましょう。
実際に弾いて、音を確かめながら読んでくださいね。
この「目指せ!コードマスター」は、
- レパートリーを増やしながら
- コードを少しずつ覚えることができ
- いろんなリズムパターンを身に付けることができる
という、夢のような内容になっています。
第1回「カエルの合唱」と第2回「カタツムリ」、第3回「ぶんぶんぶん」、第4回「しゃぼん玉」、第5回「大きな栗の木の下で」、第6回「きらきらぼし」、第7回「山の音楽家」、第8回「でんでらりゅうば」、第9回「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」、第10回「さよなら」を終わらせていない人は、そちらの方もご覧ください。
3コードとは
まずは前回のおさらいです。
3コードとは
曲がCメジャー(ハ長調)の場合
- トニック C(ド、ミ、ソ) 安定
- サブ・ドミナント F(ファ、ラ、ド) ちょっと不安定
- ドミナント G(ソ、シ、レ) 不安定でトニックに行きたがる
曲がFメジャー(ヘ長調)の場合
- トニック F(ファ、ラ、ド) 安定
- サブ・ドミナント B♭(シ♭、レ、ファ) ちょっと不安定
- ドミナント C(ド、ミ、ソ) 不安定でトニックに行きたがる
同じC(ド、ミ、ソ)のコードでも、曲がCメジャー(ハ長調)の場合と、Fメジャー(ヘ長調)の場合では、感じが変わります。
詳しくは、目指せ!コードマスター(第10回「さよなら」を題材に「自分でコードを選ぶにはどうすればよいか」を考えるをご覧ください。
では、ハ長調の「夕焼け小焼け」に、全部2分音符で3コードを当てはめてみます。
Cメジャー(ハ長調)の楽譜なので、3コードはC、F、Gです。
童謡や、保育で使われるような簡単な曲は、最初と最後がトニック(CメジャーのときはCのコード)になるはずでした。
後は、弾きながら、C、F、Gのコードのどれを使うかということを考えていきましょう。
分散和音を使ったのが、この楽譜です。
3コードを他のコードに置き換える
「ちょっと物足りないな」ということであれば、3コードを他のコードに置き換えてみましょう。
C(ド、ミ、ソ)とEm(ミ、ソ、シ)は、ミとソの音が共通しています。
C(ド、ミ、ソ)とAm(ラ、ド、ミ)は、ドとミの音が共通しています。
Cのコードを、EmやAmに変えてみましょう。
それから、「2分音符ばかりだと、面白くないな」ということであれば、1拍ずつでコードを変えてみましょう。
たとえば、こんな感じ
伴奏が重たいときは音を減らす
細かい音符が続く場合や、歌声があまり大きくない場合は、コードの音を全部鳴らすと重たく感じます。
伴奏の音を減らしてみましょう。
減らし方の基本は、次の通りです。
- コードの音を1つ無くす
- 分散和音にする
- 音階の一部やメロディーのハモりを単音で弾く
コードの音を1つ無くす
たとえば、C(ド、ミ、ソ)のコードが書いてあっても、ミとソだけや、ドとソだけで弾いてみましょう。
「G7(ソ、シ、レ、ファ)は音が多いな」と思うのであれば、ファを無くすとか、ソとレだけ弾くとか、いろいろと試してみましょう。
メロディーにぴったり合うコードが見付からない場合にも使える方法です。
分散和音で弾く
今回の、2つ目に載せた楽譜は、曲の始めから終わりまで、ずっと分散和音で伴奏をしています。
たまには、曲の一部分だけを分散和音で弾いてみましょう。
たとえば、1小節の中で、1拍目と2拍目を分散和音にして、3拍目と4拍目はコードで弾く、というようにしてみましょう。
音階の一部やメロディーのハモりを単音で弾く
思い切って音を減らしたいときや、コードがうまく見付からないときは、音階の一部を単音で弾いてみましょう。
ハ長調の曲なら、ハ長調の音階の一部、ヘ長調の曲なら、ヘ長調の音階の一部を弾きます。
コードを見ると、分かりやすいです。
たとえば、G(ソ、シ、レ)のコードが使ってあるなら、(ソ、シ、レ)の音のどれかを始めか終わりの音にします。
「ソラシド」とか「シドレ」とか。
「ソラシレ」や「レドシソ」などと、音が跳んでも合います。
F(ファ、ラ、ド)のコードが使ってあるなら、(ファ、ラ、ド)の音を利用します。
「ララシド」とか「ファソラシ」とか。
また、コードの音にこだわらず、メロディーのハモりを単音で、左手で弾いてみましょう。
「なんとなく、この音がいい感じだな」くらいで十分です。
ここまで変えると、「本当にこのコードなの?」って思いますよね。
まとめ
今回紹介したことを実践すれば、伴奏を自由に考えることができるようになります。
- 3コードを基本に、曲にコードをつける
- 物足りない部分があれば、他のコードに置き換える
- 伴奏が重たいなら音を減らす
音の減らし方の基本は、
- コードの音を1つ無くす
- 分散和音にする
- 音階の一部やメロディーのハモりを単音で弾く
今後の予定
Cメジャー(ハ長調)とFメジャー(ヘ長調)の曲に、コードをつけることができるようになりましたか?
「まだ物足りない、十分ではない」という方や、「難しくて分からない」という方は、「お問い合わせ」から、「DmとAmを使った曲が知りたいんだけど」などと、お知らせください。
補習の記事を追加します。
次回は目指せ!コードマスター(第12回「ふるさと」でDとBmをマスターする)です。
これからは、Gメジャー(ト長調)やB♭メジャー、Dメジャーなど、♯や♭を少しずつ増やしていきます。
そのうち、マイナー(短調)の曲の場合も紹介します。
この記事の関連記事は、こちらです。
少しずつステップアップして、弾けるようになりますよ。
目指せ!コードマスター(第1回「カエルの合唱」でCFGをマスターする)
目指せ!コードマスター(第2回「カタツムリ」でAmDmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第3回「ぶんぶんぶん」でセブンスを考える)
目指せ!コードマスター(第4回「しゃぼん玉」でEmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第5回「大きな栗の木の下で」で定番のリズムをマスターする)
目指せ!コードマスター(第6回「きらきらぼし」で定番リズム2をマスターする)
目指せ!コードマスター(第7回「山の音楽家」で「ヘ長調」の曲にコードをつける)
目指せ!コードマスター(第8回「でんでらりゅうば」でB♭Gmをマスターする)
目指せ!コードマスター(第9回「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」で「コードに使われる音の法則」を考える)
目指せ!コードマスター(第10回「さよなら」を題材に「自分でコードを選ぶにはどうすればよいか」を考える
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目指せ!コードマスター(第14回「ともだち賛歌」右手でコードを弾いてみる)
目指せ!コードマスター(第15回「こいのぼり」伴奏を簡単にする方法をいろいろと考える)
目指せ!コードマスター(第16回「うれしいひなまつり」で短調のコードを考える
目指せ!コードマスター(第17回「かごめかごめ」で「♭5」「sus4」「dim」「aug」を知る)
目指せ!コードマスター(第18回「聖者の行進」で「テンション」を知る)
目指せ!コードマスター(第19回「七つの子」コードを変えるポイントを考える)
目指せ!コードマスター(第20回「まとめ」スケールとコードを一気に覚える)
それから、
ピアノが自由に弾けるようになる!おすすめコード伴奏も参考にしてくださいね。
もっといろんな楽譜がほしい人は
【簡単・無料のピアノ楽譜】コード3つで弾ける童謡・保育の定番曲まとめ
をご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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