どこの幼稚園・保育所でも、何かしらの生き物を飼っていますよね。
玄関にメダカの水槽があると、毎朝メダカにあいさつをしている子どももいるでしょう。
昔はニワトリやハトなんかも普通に飼っていました。
あなたは、保育所や幼稚園で、生き物を何のために飼うか、よく考えたことがありますか?
この記事では、「子どもが自分で世話をできるかどうか」に視点を当てて、飼いやすい生き物を紹介しています。
保育の現場で、なぜ生き物を飼うのか、考えながら読んでみてください。
子どもが自分で世話をできる生き物を飼った方が良い理由
子どもが自分で世話をできる生き物を飼った方が良い理由の1つは、「自分で着替えるか、手伝ってもらって着替えるか」と同じことです。
小さい子どもの服は、着やすく、脱ぎやすいようになっています。
生き物も、小さい子どもに合わせて、世話をしやすいものから飼うようにしましょう。
世話をしやすいほうが、自分でできた達成感があり、より興味をもてますよね。
それから、自分で世話をすると、生き物に対する愛着が全く変わってきます。
苦手だからといって、生き物に関わることを敬遠していると、子どもの変化に気付けませんよ。
子どもが自分で世話をできる生き物とは
子どもが自分で世話をできる生き物かどうかは、次の3つで判断しています。
- エサを確保できるか
- 生き物の住み家を作ることができるか
- 水替えや掃除ができるか
「大人に手伝ってもらうことなく、世話をすることができるか」を考えると、保育現場でよく飼われている生き物ではなく、身近にいる生き物が飼いやすいことが分かります。
大人が全く手伝わなくても飼うことができる生き物
1.ダンゴムシ:飼いやすさ★★★★★
容れ物と枯れ葉があれば、住み家+食べ物の問題は解決です。
他にもいろいろと食べるので、何を食べるか試してみることも楽しめます。
掃除も、フンが溜まったら取り除くだけです。
持っても痛くないし、動きがゆっくりで捕まえやすい。
ということで、飼いやすさダントツNo.1はダンゴムシに決定です。
長く飼うのであれば、詳しくは子どもが自分でお世話できるダンゴムシの飼い方を読んでください。
2.ヤスデ:飼いやすさ★★★★★
飼いやすさとしては、ダンゴムシと一緒です。
食べ物が落ち葉というのが、とにかく簡単です。
ただ、ちょっと毒をもっているらしいので、触った後は手を洗いましょう。
手を洗うのはカタツムリやカエルを飼うときと同じことです。
あと、見た目が無理な人は、当然いると思います。
【身近な生き物】アメンボ、ハサミムシ、オケラ、ヤスデの飼い方
食べ物のことだけ少し手伝えば飼うことができる生き物
3.オケラ:飼いやすさ★★★★
飼い方としてはダンゴムシと一緒です。
ただ、食べ物が落ち葉でない分、ほんの少しだけ大人の手が必要です。
食べるのは植物の根なので、子どもがその気になれば集めることができます。
あとは、昆虫ゼリーや、小動物用の配合飼料を食べます。
【身近な生き物】アメンボ、ハサミムシ、オケラ、ヤスデの飼い方
4.ハサミムシ:飼いやすさ★★★★
ハサミムシも、飼い方としてはダンゴムシと同じです。
ダンゴムシなどの小さい虫を食べます。
あとは生ゴミを食べるので、給食やお弁当の食べこぼしを与えれば、エサの手間はかかりません。
でも、やり過ぎると、腐って掃除が大変になります。
その点、大人の手伝いが必要です。
【身近な生き物】アメンボ、ハサミムシ、オケラ、ヤスデの飼い方
食べ物と掃除を少し手伝えば飼うことができる生き物
5.カブトムシ:飼いやすさ★★★
とにかく丈夫なので、少々扱いが雑でも飼うことができます。
子ども達に任せると、昆虫ゼリーをやり過ぎてしまいますよね。
臭いがするのは、掃除をしていないからです。
とくに、スイカなどを与えると、汁が傷んですぐに臭います。
エサは皿などの上に置くと、周りに染み込みにくくなりますよ。
6.クワガタ:飼いやすさ★★★
飼い方としてはカブトムシと似たようなものです。
挟まれると痛い分だけ、カブトムシより扱いにくいですね。
7.カタツムリ:飼いやすさ★★★
カタツムリはフンに水分が多くて、子どもには掃除がしにくいですね。
フンの色が変わるのを見るために、いろいろな食べ物を与えると、すぐに傷んでしまいます。
その分、掃除も大変です。
8.アメンボ:飼いやすさ★★★
水替えが必要な生き物の中では、ダントツに飼いやすいのがアメンボです。
成虫は、水道水のカルキ抜きをしなくてもなんとかなります。
本当はカルキ抜きをしたほうが良いですけど。
死んだ虫でも、目の前に落としてやると食べるので、エサを手に入れるのも難しくありません。
【身近な生き物】アメンボ、ハサミムシ、オケラ、ヤスデの飼い方
9.バッタ(草食):飼いやすさ★★★
そこら辺の草を与えればOKなので、食べ物の調達は簡単です。
しかし、たくさん食べることと、飼育ケースの中では草が長持ちしないことから、大量の草が必要です。
たくさん飼っていると、庭の草があっという間に無くなっていきます。
大量の草とフンの分だけ、掃除も必要です。
10.カマキリ:飼いやすさ★★★
カマキリを飼うのは、とにかくエサを調達するのが大変・・・と、思っている人が多いのでは?
実はソーセージとかでもいけます。
むしろ、水の管理の方が大変です。
カマキリにかからないように、全体を適度に湿らせることが、子どもには難しいです。
保育所や幼稚園で飼われている生き物は世話が面倒なことが多い
ザリガニ、カメ、メダカ、カエル、金魚など、とにかく水替えが大変ですよね。
少しでもサボると臭ってくるし、衛生的な問題があります(水替えのやり方については、もっと楽にできる水槽の掃除と水替えの仕方をご覧ください)。
食べ残しを取り除かないとすぐに腐るのに、子ども達は好きなだけエサをやろうとします(液体の飲み薬についている小さなカップなどに、印をつけておくと、「エサはここまで入れる」という目印になりますよ)。
さらに、ザリガニ、カメ、カエル、メダカには、「飼ってはいけない」「飼わない方が良い」「捕らない方が良い」という問題もあります。
カメの飼い方には要注意!保育関係者が絶対に知っておくべきこと
やめて(泣)死んじゃう!けっこうな人数が間違っているカエルの飼い方
上の記事に詳しく書いてありますのでご覧ください。
記事は書いていませんが、メダカも種類により、市町村によっては、採取や飼育に許可が必要なこともあります。
なんで、こんなに大変な思いをしてまで、生き物を飼うのでしょう?
癒やし、世話をする責任感、生と死のことなど、子どもにとって得るものが大きいからですよね。
それならば、なおさら、子どもが自分で世話をできる生き物を飼ってみようと思いませんか?
当番として、与えられた仕事をするのも、もちろん必要なことです。
しかし、それよりも、子どもが興味を持って、「飼いたい」と思った生き物を、必要感を持って世話をする方が、成長につながると思いませんか?
だったら、園庭で遊んでいて、すぐに目に入ってくるダンゴムシやアメンボも、飼育する流れになるはずです。
捕まえやすいですから。
【身近な生き物】アメンボ、ハサミムシ、オケラ、ヤスデの飼い方
始めのうちは興味がなかった当番の仕事も、必要感を持ってできるようにするのが保育者の仕事なんですけどね。
大概の生き物は、飼うことができます。
トンボの成虫だって、飼おうと思えば飼えます。
【本当に飼えるの?】トンボの成虫を上手く飼うための3つのポイント
チョウも、トンボと同じような広さで飼うことができます。
子どもが興味を持った生き物を、とにかく飼ってみましょう。
上手くいかなくても良いんです。
子どもと一緒に考えたり調べたりしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務経験あり。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。