「個人の重点」って、慣れたら1分もあれば書けるんです。例文を探している人は、時間がもったいないですよ。 年少、年中、年長は関係ありません。 「個人の重点に何を書いたらいいか分からない」と思っている方、個人の重点を書くときに、時間がかかって困っている方は、「個人の重点」というのは何なのか、考えてみましょう。
この記事では、「個人の重点って本当は何を書くのか」ということを分かりやすく説明しています。「本当は何を書くのか」が分かると、難しく考えなくても書けるようになります。ただ、ちょっと条件はありますけどね。5分ほどで読めるので、「個人の重点」で悩む前に、サラッと読んでみてください。
指導要録・保育要録の「個人の重点」とは
幼稚園幼児指導要録も、保育所児童保育要録も、幼保連携型認定こども園園児指導要録も、書くことは一緒です。
1年間を振り返って、当該幼児の指導について特に重視してきた点を記入すること。
出典:幼稚園及び特別支援学校幼稚部における指導要録の改善について(通知)
保育所もこども園も、幼稚園と同様です。幼稚園向けの文書で「当該幼児」となっている部分が「子ども」「当該園児」と変わっているだけです。
ポイントは、「1年間を振り返って」というところです。
「目標」や「ねらい」ではありません。
一人ひとり異なった内容を書きます。
「学年の重点」は年度当初に設定したものです。全員に同じ事を書きます。
「学年の重点」は年度当初に設定するので「目標」です。「個人の重点」は1年間を振り返って書くので、「目標」ではありません。同じ「重点」という言葉を使うのはやめてほしいですね。
「学年の重点」は「学年の目標」、「個人の重点」は「大事にしてきた姿」だと思って書きましょう。
「個人の重点」を1分で書くために
「個人の重点」って、「ねらい」や「目標」じゃないんです。ということは、達成される必要もないし、「個人の重点」と「実際の姿」が少々違ったとしても、「育ってないじゃないの?」と言われることはありません。あくまでも、「指導について重視してきた点」ですから。そこまで厳密に考えることはないんです。思い詰めていた人は、もう少し楽に考えましょう。
「個人の重点」を1分程で書く具体的な方法は、次の2つです。
- 「ねらい」の姿を基にして書く
- 指導上参考となる事項(保育要録は「保育の展開と子どもの育ち」)の中で一番大事なことを書く
「ねらい」の姿を基にして書くと、それに捕らわれてしまう可能性があるので、慣れていない人にオススメするのは2つ目の方法です。
「ねらい」の姿を基にして書く
「個人の重点」を一番早く書く方法は、個人の「ねらい」をそのまま書くことです。すでに決まっていることを写すだけなので、これが一番早いです。
さっき「個人の重点」は「目標」や「ねらい」ではありませんって言ってたでしょ(怒)という声が聞こえてきそうですが・・・
「個人の重点」は、指導について特に重視してきたことを書きます。「ねらい」にしたことって、常に意識して1年間指導を続けているはずです。結果的に、1年を振り返って、指導について特に重視してきたことが、1年の最初に設定した「ねらい」とそっくりになることはあります。
ということで、「個人の重点」を一番早く書く方法は、すでに決まっている個人の「ねらい」をそのまま書いてしまうことです。ただし、これは最終手段です。
「ねらい」の姿を基に、ちょっとだけ修正して書きましょう。
常に振り返り、修正しながら保育をしているはずなので、年度当初に考えた「ねらい」の姿と、1年を振り返ったときの大事にしてきた姿が、全く一緒になることはありえません。
個人の重点に、「ねらい」をそのまま書くことは、「私は自分の保育を一切振り返りませんよ」と公表していることになります。
指導上参考となる事項(保育要録は「保育の展開と子どもの育ち」)の中で一番大事なことを書く
要録を書くことに慣れていない人には、こちらの方法をオススメします。「個人の重点」には、指導上参考となる事項(保育要録では「保育の展開と子どもの育ち」)の中で、「ここの部分が一番大事だな」ということを書きましょう。
順番としては、
- 指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)を書く
- 書いた中で一番大事な部分を探す
- 個人の重点を書く
ということになります。
どこが一番大事かを選んで、ちょっとまとめて書くだけです。一番大事な部分って、書きながら分かるはずなので、実際に必要な時間は、ちょっとまとめて書く時間だけです。ですので、慣れれば1分もあれば書くことができます。
市販の「要録の書き方」みたいな本を見ると、「個人の重点は、日常の保育記録を活用して、子どもの発達や特徴に基づいて書きましょう。」みたいなことが書いてあるはずです。でも、日常の記録を引っ張り出すと、何十分どころか何時間もかかるかもしれません。
日常の記録を基に、子どもの姿や保育者の援助をまとめて書いたものが「指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)」。さらに「指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)」をまとめて一言で表したものが「個人の重点」だと考えましょう。
要録って、書くことで保育を振り返る意味があるんです。記録を見返すと、「意識してなかったけど、こんな言葉をたくさん言ってたんだ」「こんな援助をしてたんだ」ということが分かります。書くことで、大事にしていた部分に気付くことがあるんです。
たとえば、指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)」に書いたことを見ながら、「そういえば、(要録なので書いてないけど)ドンマイってよく言ってたな~。」ということを思い出したとしたら、「個人の重点」には「思い通りにいかないときにも前向きに、自分のペースで取り組む」などと書きましょう。
指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)」に書いたことを基に「個人の重点」を書くと、ズレが生じません。これが一番のメリットです。最初に「個人の重点」を書くと(特に、どこかの例文を写したりすると)、指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)と「個人の重点」に書いたことがピッタリ合いません。
「個人の重点」を後で書いてもいいの?と思う人がいるかもしれませんが、いいんです。「個人の重点」は「ねらい」や「目標」ではなく、振り返って書くことですから。
まとめ
指導要録・保育要録の「個人の重点」は1年間を振り返って、指導について特に重視してきたことを書きます。
ということは
「目標」や「ねらい」ではありません。
一番早く書く方法は、すでに決まっている個人の「ねらい」をそのまま書くことですが、「私は保育の振り返りをしませんよ」と宣言していることになるため、「ねらい」をちょっと修正して書きましょう。
指導上参考となる事項(保育要録では「保育の展開と子どもの育ち」)の中で、「ここの部分が一番大事だな」ということを「個人の重点」に書くと、選んでちょっとまとめるだけで書くことができます。
ただ、ちょっと条件があります。
指導上参考となる事項(保育の展開と子どもの育ち)をしっかり書く必要があります。「保育者の援助が全然書いてない」みたいな状況だと、「個人の重点」も当然書くことができません。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務の後、保育塾を立ち上げる。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
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