「ただのあいさつなんだから、誰が書いても一緒でしょ。」「書き出しはできたけど、次につながらない。」などと思っている、保育所・幼稚園の先生方、今日で全部解決です。
この記事では、保育所・幼稚園の、11月のおたよりにぴったりな書き出し方を紹介しています。
おたよりの書き出しは、基本的に
- 季節のあいさつ
- 子どもの様子
の順番です。
まずそこを押さえておきましょう。
おたよりの書き出しができるかどうかは「慣れ」です。
保育指導案は、発達やこれまでの子どもの姿など、いろいろなことを考慮しないといけないので難しいですよね。
でも、おたよりは、いろんな例文を見て、自分が担任している子ども達の姿に合わせて、例文をちょっと変えるだけです。この記事に書いてある「季節のあいさつ」と「子どもの様子」を組み合わせて使ってくださいね。
組み合わせた後に、少しずつ自分の言葉に変えていきましょう。
そのうち、全部自分の言葉で書けるようになってきます。
季節のあいさつ(11月)の文例
天気や行事のことを伝えたいとき
- 11月になっても暖かいのがありがたいですね。
- すっかり寒くなってきましたね。
- 最近とても寒いですね。今朝はついに氷点下になりました。
- もう雪の気配を感じられるようになってきました。
- 11月だというのにこの寒さ。冬が思いやられます。
- 間もなく◯◯保育所祭りです。
- 焚き火と焼き芋の季節がやってきました。
- 「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」・・・3つとも同じ「巻積雲」だそうです。
もちろん地域によりますが、11月になると本当に寒い日もあり、雪が舞うところもありますよね。秋なのか、冬なのか、迷う地域もあります。
11月は秋?冬?などと考えないで、11月のお便りを出すときの天気を、そのまま書けばいいんです。「もう本当に寒くなって、正直外で遊ぶのが辛いです。」を、保護者向けに、もう少し丁寧に書くだけです。天気のことが分からなければ、行事のことを書けばいいんです。
植物や生き物の様子を伝えたいとき
- コスモスの花びらが、桜の花びらと同じように散っています。
- 散歩の途中に、シイの実がたくさん落ちている場所があります。
- イチョウの葉が、すっかり黄色くなりました。
- 11月○日に、チューリップの球根を植える予定です。
- もうすぐ秋植えのジャガイモを収穫します。
- 子ども達が大好きな虫は見られなくなりましたが、園庭に鳥が来ることが多くなりました。
植物の様子を伝えたいときも、天気と同じで今現在の様子をそのまま書けばいいです。「もう秋も終わりだよね」ということを伝えたいのなら、見られる植物も少なくなってきたということを伝えると、それらしく思えるかもしれませんね。
生き物も、見つかった生き物をそのまま書けば、いくらでも文が書けますよ。
どの生き物が見つかっても、それが季節の生き物です。
一応注意をしておきますが、地域による違いがあるので、植物や生き物の実際の様子を見て書いてくださいね。
ただ、生き物は、ものすごく苦手な人もいるので、あまりリアルな表現は避けた方が無難です。
季節のあいさつを少し丁寧にするとき
おたよりの書き出しは、基本的に
- 季節のあいさつ
- 子どもの様子
の順番で書きます。
でも、一般的な手紙などは次のように書きますよね。
晩秋の候、貴行ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。
先程まで例をあげていた、天気のことや、植物の様子は、「晩秋の候」の部分です。ということは、その後の「貴行ますます~」とか、「平素は格別の~」の部分は、普段のクラス便りには書いてない人も多いということです。
おたよりを丁寧に書きたいときには、もう少し書き加えましょう。
「貴行ますます ~」の部分を書きたいのなら、保護者のことに気持ちを向けていることが分かる文にします。
「平素は格別の~」の部分は、保護者へのお礼です。
- 寒い中ですが、保護者のみなさまは、いかがお過ごしでしょうか。
- ご家庭でも、冬に向かって準備をしていらっしゃることでしょう。
- みなさんにご協力を頂いたおかげで、◯◯祭りも盛況となりました。改めてお礼を申し上げます。
- 先日は、保護者会に足を運んで頂き、おかげさまで無事に◯◯できることとなりました。
かしこまってしまうと難しいですよね。
最近お世話になったことにお礼を言うと、書きやすいです。
子どもの様子(11月)の文例
子どもの様子は、できれば、季節のあいさつや、保護者へのお礼と関連付けましょう。
たとえば、
季節のあいさつで「寒さ」を伝えたら、「寒さ」に関して子どもがこんなことを言ったなどのエピソードを書く。
季節のあいさつで「植物」のことを取り上げたら、子どもの様子では、「植物」に対しての、子どもの関わり方を取り上げる。
保育所のお祭りへのお礼を書いたら、「さらに新しいお祭りが始まりました。」などを書く。
という具合です。
というよりも、子どもの姿で「これは伝えたい」というものを見付けた後、その時の天気や植物の様子をそのまま言葉にすれば上手くいくかもしれません。
保護者がお便りで知りたいのは、天気や植物の様子ではなく子どもの様子です。
天気や行事のことを伝えた文に続く子どもの様子
- 元気に走りまわっている子ども達は、11月になってもまだ汗をかくくらいです。
- 寒い中でも、まだまだ元気に外遊びが中心の子ども達です。
- 最近の流行は、いろんな器に水を入れて氷を作る「研究所」の遊びです。
- 毎日、落ちている枝を集めては、焚き火(ごっこ)をしています。
- 寒いので、子ども達同士でくっつく姿が多く見られます。
- 園内のお祭りムードに、子ども達のテンションも上がり、賑やかな毎日です。
- ここ最近の子ども達は雲に興味津々で「お化け雲があった」「パンダ雲だ」などと言いながら眺めています。
植物や生き物について書いた文に続ける子どもの様子
- 花びらや葉っぱを拾う子ども達の顔は真剣そのものです。
- まるで職人のような表情で、きれいな葉っぱを選んで拾う子ども達です。
- 砂場用のザルをもって、落ちてくる◯◯をキャッチしようと待ち構える子ども達です。
- 植えるのが(掘るのが)待ちきれない子ども達は、何度も畑を眺めに行ってます。
- 子ども達は双眼鏡を持って、園庭の隅々まで探し回っています。
他の月に書いた姿も文として組み合わせることができますので参考にしてくださいね。
たとえば10月に書いた文だと・・・
- 園に持って帰って遊びに使おうと、ひたすら拾う子ども達。拾うこと自体が楽しくてしょうがない様子です。
- 子ども達が遊んでいる様子を見ていると、「季節はあまり関係ないかもしれない」と思えてきます。とにかく元気な子ども達です。
季節のあいさつを少し丁寧にした文に続ける文
- 急に寒さが増すこの季節、お互い健康に気をつけていきましょう。
- 園の方では、冬用の遊び道具が登場しましたよ。
- ◯◯祭りの続きを楽しんでいる子ども達の様子を写した写真が、掲示板に貼ってありますのでご覧ください。
- 子ども達の気持ちを、ここでもお伝えしたいと思います。ありがとうございました。
それぞれの記事につなげる言葉
おたよりの書き出しができても、それぞれの記事につなげる言葉で手が止まることがありますよね。月初めにお便りを出す場合と、月の途中でお便りを出す場合の、両方の例をあげておきます。
月初めの場合
- 先月は次のような姿もありましたよ。
- 他にもこんな姿がありました。
- 11月は、どんな姿が見られるのでしょうか。
- 今月、子ども達がどんな成長をするか、楽しみですね。
- 今月は、次のような「ねらい」を立てて過ごしていきます。
月中頃や月終わりの場合
- さて、今月見られた姿を、他にも紹介しますね。
- それでは、今月の素敵な姿をお伝えしますね。
- 子ども達は今月、他にもこんな風に成長してますよ。
- 11月は、次のような成長も見られましたよ。
それぞれの文をつなげると
これまで紹介した、それぞれの文をつなげてみますね(さらに追加した表現もあります)。自分でつなげるときは、文の意味が通るように、適当に変えながらつなげましょう。上手くつながらないときは、誰かに聞けばいいんです。
あくまでも、主となるのは子どもの姿です。実際に見られた子どもの姿や発言を中心にして、前後の文をつなげていきましょう。
- すっかり寒くなってきましたね。保護者のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。子ども達は、寒い中でも、まだまだ元気に外遊びが中心です。ここ最近は、雲に興味津々で「お化け雲があった」「パンダ雲だ」などと言いながら眺めています。さて、今月見られた姿を、他にも紹介していきますね。
- 最近とても寒いですね。今朝はついに氷点下になりました。ご家庭でも、冬に向かって準備をしていらっしゃることでしょう。急に寒さが増すこの季節、お互い健康に気をつけていきましょうね。今月は、次のような「ねらい」を立てて過ごしていきます。
- 11月になっても暖かいのがありがたいですね。先日は、保護者会に足を運んで頂き、ありがとうございました。おかげさまで無事に「◯◯っ子祭り」もできそうです。それでは、「◯◯っ子祭り」に向かって張り切っている子ども達の姿を紹介していきますね。
- イチョウの葉が、すっかり黄色くなりました。焚き火と焼き芋の季節ですね。最近の子ども達は、毎日、落ちている枝とイチョウの葉っぱで、焚き火ごっこをしています。それでは、今月の素敵な姿をお伝えしますね。
- 11月だというのにこの寒さ。冬が思いやられます。あまりの寒さに、「もう冬でしょう?」「違うよ、11月は秋だよ」という会話が聞こえてきました。園の方では、冬用の遊び道具が登場しましたよ。今月、子ども達がどんな成長をするか、楽しみですね。
- もうすぐ秋植えのジャガイモを収穫します。掘るのが待ちきれない子ども達は、何度も畑を眺めに行ってます。この1年、食育に力を入れてきたこともあってか、給食の食材や畑のことに、興味をもつ姿が多く見られるようになってきました。今月は、他にも次のような成長の姿が見られましたよ。
- もう雪の気配を感じられるようになってきました。本当に寒いですよね。一方で、子ども達はまだ汗をかくくらい、元気に走り回っています。急に冷えて風邪など引かぬよう、お互いに気をつけていきましょう。それでは、11月に見られた姿を紹介していきますね。
まとめ
おたよりの書き出しは、基本的に
- 季節のあいさつ
- 子どもの様子
の順番です。
ちょっと丁寧に書きたいときには、保護者への気遣いやお礼の言葉も書き加えます。
本当に大事なのは、「こんな風に育ったよ」「こんな姿があったよ」という中身です。書き出しに悩む時間はもったいないですよ。この記事の例文をつなげてサッと書き出しを終わらせ、中身を充実させましょう。
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保育塾代表
2人の娘の父親
公立幼稚園・幼保園・大学の附属幼稚園で勤務経験あり。
ラッパ吹き。小学生を中心に、20年以上いろんなバンドを指導しています。保育士・幼稚園教諭のみなさんが、ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、プラスの循環が生まれます。
ほんの少しだけ余裕をもって仕事ができたら、ほんの少しだけ子どもが落ち着いて、そうするとまた、ほんの少しだけ余裕ができて、効率良く仕事ができる方法を調べたりして・・・
そんなプラスの循環の始めの一歩、小さな余裕を生み出すお手伝いをしています。